“納手拭”の読み方と例文
読み方割合
おさめてぬぐい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
清葉とお孝の名をしるしにした納手拭おさめてぬぐいの、一つは白く、一つは青く、春風ながら秋の野にくずの裏葉のひるがえる、寂しき色にでてそよぐを見つつ、去るに忍びぬ風情であった。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このあたりを、ちらほらと、そぞろ歩行あるきの人通り。見附正面の総湯の門には、浅葱あさぎに、紺に、茶の旗が、納手拭おさめてぬぐいのように立って、湯の中は祭礼まつりかと思う人声の、女まじりの賑かさ。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)