“栖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
60.4%
すみか18.8%
すみ8.3%
ずみ4.2%
すま2.1%
すむ2.1%
とま2.1%
ねぐら2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老い衰えて安楽に隠れむつもりのない彼は、寂しく、悲しく、血のわく思いで、ただただ黙然とおのれら一族の運命に対していた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
『舟の上に生涯を浮べ、馬の口をとらへて老を迎ふるものは、日々旅にして、旅をすみかとす。古人も多く旅に死せるあり。』
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
然らば豊内記に「洛中ニすみカネテ西山辺ニ身ヲのがレ、菜摘水汲薪採リ心ナラズモ世ヲ厭ヒ、佛ヲ供養シテゾ光陰ヲ送ケル」
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
父さまが鎌倉においでなされたら、わたし等もうはあるまいものを、名聞みやうもんを好まれぬ職人氣質かたぎとて、この伊豆の山家に隱れずみ、親につれて子供までもひなにそだち、詮事せうこと無しに今の身の上ぢや。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
もっと痛ましいのはあによめの身内であった。まき氏の家は大手町の川に臨んだ閑静なすまいで、私もこの春広島へ戻って来ると一度挨拶あいさつに行ったことがある。大手町は原子爆弾の中心といってもよかった。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
ふせぎかねて、浦近き国々数十ヶ国、皆すむ人もなく荒れにけり
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
夫雀哀しんで自ら羽を抜き丸裸になってピパル樹にとまく、ピパル樹訳を聞いて貰い泣きし葉をことごとく落す、水牛来て訳を聞いて角ふたおとし川へ水飲みに往くと
神前にて腹十文字にきり、はらわたをくり出し、悪血をもって神柱かんばしらをことごとく朱にそめ、悪霊になりて未来永劫えいごう、当社の庭を草野となし、野干やかんねぐらとなすべし——うんぬん。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)