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栖
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すみか
ふりがな文庫
“
栖
(
すみか
)” の例文
『舟の上に生涯を浮べ、馬の口をとらへて老を迎ふるものは、日々旅にして、旅を
栖
(
すみか
)
とす。古人も多く旅に死せるあり。』
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
水鶏
(
くいな
)
だって、わが家の戸を叩いたかと思うくらい近くを啼いてゆく。——それにしても、何んとまあ物思い自身の巣くっているような
栖
(
すみか
)
なのだろうかしら。
かげろうの日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
チェチーナとコルネートの間なる耕せる處を嫌ふ猛き獸の
栖
(
すみか
)
にもかくあらびかくしげれる
※薈
(
しげみ
)
はあらじ 七—九
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
わざわざこの樺の林にまで
辿
(
たど
)
りついて、地上わずか離れて下枝の生えた、雨
凌
(
しの
)
ぎになりそうな木立を見たてて、さてその下に
栖
(
すみか
)
を構え、あたりの風景を跳めながら
あいびき
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
架
(
か
)
に近きところには、盜人の屍の切り碎きて棄てたるなり。
隻腕
(
かたうで
)
、
隻脚
(
かたあし
)
は猶その形を存じたり。それさへ心を寒からしむるに、我
栖
(
すみか
)
はこゝより遠からずとぞいふなる。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
月日は
百代
(
はくたい
)
の
過客
(
くわかく
)
にして、行きかふ年も又旅人なり。船の上に
生涯
(
しやうがい
)
をうかべ、馬の口とらへて
老
(
おい
)
をむかふる者は、日々旅にして、旅を
栖
(
すみか
)
とす。古人も多く旅に死せるあり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
ガドウ教授蛇の行動を説いて曰く、蛇は有脊髄動物中最も定住するもので、餌と
栖
(
すみか
)
さえ続く中は他処へ移らず、故に今のごとく
播
(
ち
)
るには極めて徐々漸々と掛かったであろう。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
……此世は常の
栖
(
すみか
)
に非ず、草葉に置く白露、水に宿る月より猶怪し、
金谷
(
かなや
)
に花を詠じし栄華は
先立
(
さきだっ
)
て、無常の風に誘はるゝ、南楼の月を
弄
(
もてあそ
)
ぶ
輩
(
やから
)
も月に先立て有為の雲に隠れり。
桶狭間合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
船の上に生涯をうかべ、
馬口
(
うまのくち
)
とらへて老をむかふる物は、日々旅にして旅を
栖
(
すみか
)
とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊のおもひやまず……
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
まだをぢが
栖
(
すみか
)
にゆき着かぬに、日は暮れぬ。我は一言をも出さず、顏を
掩
(
おほ
)
うて泣き居たり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
想ふに風雨一たび到らば、このわたりは
群狗
(
ぐんく
)
吠ゆてふ
鳴門
(
なると
)
(スキルラ)の
怪
(
くわい
)
の
栖
(
すみか
)
なるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
栖
漢検準1級
部首:⽊
10画
“栖”を含む語句
国栖
小栗栖
栗栖
隠栖
鳥栖
鷺栖
栖処
来栖
深栖
国栖人
有栖川職仁親王
栖鳳
栖家
本栖
有栖川宮
本栖湖
栖息
息栖
有栖川
栖所
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