“すみか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
住家32.7%
棲家29.2%
棲処8.3%
住処7.1%
5.4%
栖家4.8%
棲所4.2%
住所1.8%
住宅1.2%
栖所1.2%
(他:7)4.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おなじような郊外の住家すみかというが、二階から六甲山も眺められる池田での生活には、彼女はガラリと様子が一変してしまった。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
このすでに十二三ばかりすゝみて、海岸かいがんなる櫻木大佐さくらぎたいさ住家すみかからは
純潔な処女をこの一角の怪獣の棲家すみかへ送り込むと、ウニコールがすっかり大人しくなって処女の胸に頭をすりつけて来る。
マルコポロから (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「へツ、お孃樣、無事に鬼の棲家すみかを出ましたね、——お墨附はこれだよ、御用人。今度は盜られないやうに頼みますぜ」
所謂牛蒡種の本場なる上宝村双六谷が、もともと護法なる天狗の棲処すみかであったということは、果していかなる意味であろうか。
かくてゴーゴンの在所ありかを三人の処女から教はつたパーシユーズは、四つの品を携へてゴーゴンの棲処すみかに向つた。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
ビレラフォンが聞いて来たことが本当なら、おそろしいカイミアラが住処すみかとしているのは、それらのすごいような谷の一つでした。
彼らは道のほとりには住まわない。物音がうるさいからである。彼らは未墾の野の中に、小鳥だけが知っている泉のへり住処すみかとしている。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
『舟の上に生涯を浮べ、馬の口をとらへて老を迎ふるものは、日々旅にして、旅をすみかとす。古人も多く旅に死せるあり。』
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
チェチーナとコルネートの間なる耕せる處を嫌ふ猛き獸のすみかにもかくあらびかくしげれる※薈しげみはあらじ 七—九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝいふ昔の人が最後の栖家すみかを求めて石見地方の寺にそれを見つけたといふのは、その事がすでになつかしい。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
とにかく、この辺には、昔の蝦夷の栖家すみかの面影は少しも見受けられず、お天気のよくなつて来たせゐか、どの村落も小綺麗に明るく見えた。
津軽 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
動物園で色々の野獣の形状だけは見る事が出来ても、その天然の棲所すみかでどんな挙動をしているかという事は分らぬ。
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
さらば愛も、憎も、惱も、苦もよ、今暫くが間であらうほどに、私の胸が張り裂けるまでは、お前達の棲所すみかとして、私はこの心臓を提供する。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
かくてビルダデは悪人の運命を断定的に描述して、最後に確信の一語を加えて言うた「必ず悪き人の住所すみかはかくの如く神を知らざる者の所はかくの如くなるべし」と。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
現世うつしよのいずこにも、きみがためには住所すみかあらじ、
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
とある小山の麓に僅かに倒れ殘つた荒屋あばらやが即ちそれで、茅葺かやぶきの屋根は剥がれ、壁はこはれて、普通の住宅すみかであつたのを無理に教場らしく間に合せたため、室内には不細工千萬に古柱が幾本も突立つてゐた。
古い村 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
「そりゃそうだけれども少なくとも月にはそんな生存したものは一ぴきだっていないという定説なんだから、そんな事はあるまい。もう程なく帰って来るだろうから、それよりは飯でもすんだなら吾々の住宅すみかをあの洞穴の横に造るんだ。」
月世界跋渉記 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
そして最早もはや家庭というものに未練のない自分だけの栖所すみかを下宿に求めようとした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こうした珠数でも胸の上にけて幻の栖所すみかのように今の生活を思うような心と、夜もられぬほど血のくような心とが、彼には殆ど同時にあった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
……この頃、湖水と原始林とで美しく飾られた神仙境——すなわち人猿の住居地すみかには、有尾人以外に老人が——紛れもない欧羅巴ヨーロッパの人間があたかも人猿の王かのように彼らの群に奉仕されて、いとも平和に住んでいた。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
長吉は一年ばかり以前同じ地方のNという町から中村家に住換すみかえて来たもので、以前のことは兎も角、中村家へ来てからの彼女には何の変った所もなく、浮いた稼業の女にしては、少し陰気過ぎる気性きしょうであったのが、特徴といえばいいる位でありました。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「いやこれはありそうなことだ。泥棒の巣窟すみかへ泥棒が忍び込む気遣いはないからな、それで用心しないのだろう」彼は中へはいって行った。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
故に虎が人を襲うに、今度は誰を食うと、ちゃんと目算が立ちおり、その者家にありや否やを考えて、疑わしくば木枝を空中にげ、その向う処をみて占うといい、カンボジア人は、虎栖処すみかより出る時、何気なく尾が廻る、そのさきをみて向うべき処を定むと信ず。
近時も西アフリカのボンニ地方や、セレベス、ブトン、ルソン諸島民は専ら鱷を神とし、音楽しながらそのすみかに行き餌と烟草をたてまつった。
竹椽ちくえん清らかに、かけひの水も音澄みて、いかさま由緒よしある獣の棲居すみかと覚し。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「こは意外長坐しぬ、ゆるしたまへ」ト会釈しつつ、わが棲居すみかをさして帰り行く、途すがら例の森陰まで来たりしに、昨日の如く木の上より、矢を射かくるものありしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
リード氏の魂が、自分の妹の子の受けてゐる不法な待遇に惱まされて、教會の納棺所なふくわんじよ、または何處か知らない、死者の世界にある棲處すみかを去つて、この部屋の私の前に現はれるかも知れないと思つた。