“すみか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
住家32.2%
棲家28.9%
棲処8.3%
住処7.2%
5.0%
栖家4.4%
棲所3.9%
2.2%
住所1.7%
栖所1.1%
住宅1.1%
棲居0.6%
住居地0.6%
住換0.6%
住處0.6%
巣窟0.6%
栖処0.6%
棲處0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕は彼らの一人に背負われて、その住家すみかに連れこまれ、やがて二階の一室に入れられてはじめて、猿轡と眼かくしとをはずされました。
塵埃は語る (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
岩代いわしろ信夫郡しのぶごおり住家すみかを出て、親子はここまで来るうちに、家の中ではあっても、この材木の蔭より外らしい所に寝たことがある。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかも人生の日常の喜怒哀楽というものは此処ここに存しているのであって、社会機構というものは仮の棲家すみかにすぎず、ふるさとは人間性の中にある。
咢堂小論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
社の報酬はいふに足らぬほどなれど、棲家すみかをもうつし、午餐ひるげに往く食店たべものみせをもかへたらんには、かすかなる暮しは立つべし。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
所謂牛蒡種の本場なる上宝村双六谷が、もともと護法なる天狗の棲処すみかであったということは、果していかなる意味であろうか。
「園の遊びごとは」と彼女が言ふ、「プラトンの書に見る楽しみにくらべて物の数には入りませぬ。まことの幸の棲処すみかもえ知らぬ、世の人心のうたてさ。」……
ジェイン・グレイ遺文 (新字旧仮名) / 神西清(著)
『アラビヤ夜譚』のブルキア漂流記に海島竜女王住処すみかを蛇多く守るといい、『賢愚因縁経』に大施が竜宮に趣く海上無数の毒蛇を見たとあり、『正法念処経』に
ビレラフォンが聞いて来たことが本当なら、おそろしいカイミアラが住処すみかとしているのは、それらのすごいような谷の一つでした。
ガドウ教授蛇の行動を説いて曰く、蛇は有脊髄動物中最も定住するもので、餌とすみかさえ続く中は他処へ移らず、故に今のごとくるには極めて徐々漸々と掛かったであろう。
想ふに風雨一たび到らば、このわたりは群狗ぐんく吠ゆてふ鳴門なると(スキルラ)のくわいすみかなるべし。
「そこから出て来たのだ。動物は習慣に支配せられ易いもので、一度止まった処にはまた止まる。外へ棄てても、元の栖家すみかに帰る。何も不思議な事はないのですよ。兎に角この蛇はわたしが貰って行こう。」
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
あゝいふ昔の人が最後の栖家すみかを求めて石見地方の寺にそれを見つけたといふのは、その事がすでになつかしい。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
動物園で色々の野獣の形状だけは見る事が出来ても、その天然の棲所すみかでどんな挙動をしているかという事は分らぬ。
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
なに、大江山へ——いよいよ話が大時代おおじだいになった。でも、鬼のいない胆吹へひとつ乗込んでみよう、その棲所すみかのあとを調べてみるだけでも無用ではない。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
春にいたればもとのすみかへかへる。
春にいたればもとのすみかへかへる。
ただ僕が住所すみかは、天つ神の御子の天つ日繼知らしめさむ、富足とだる天の御巣みすの如一五、底つ石根に宮柱太しり、高天の原に氷木ひぎ高しりて治めたまはば、もも足らず一六八十坰手やそくまでに隱りてさもらはむ一七
岸本は東と北との開けた古風な平屋造りの建物の中に新しい栖所すみかを見つけた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そして最早もはや家庭というものに未練のない自分だけの栖所すみかを下宿に求めようとした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
我は幽欝ゆうゝつなる汝の栖所すみか圧込おしこめられ、
失楽 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
こうした珠数でも胸の上にけて幻の栖所すみかのように今の生活を思うような心と、夜もられぬほど血のくような心とが、彼には殆ど同時にあった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「そりゃそうだけれども少なくとも月にはそんな生存したものは一ぴきだっていないという定説なんだから、そんな事はあるまい。もう程なく帰って来るだろうから、それよりは飯でもすんだなら吾々の住宅すみかをあの洞穴の横に造るんだ。」
月世界跋渉記 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
とある小山の麓に僅かに倒れ殘つた荒屋あばらやが即ちそれで、茅葺かやぶきの屋根は剥がれ、壁はこはれて、普通の住宅すみかであつたのを無理に教場らしく間に合せたため、室内には不細工千萬に古柱が幾本も突立つてゐた。
古い村 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
かくて時刻も移りしかば、はや退まからんと聴水は、他の獣わかれを告げ、金眸が洞を立出でて、倰倰よろめく足を踏〆ふみしめ踏〆め、わが棲居すみかへと辿たどりゆくに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「とかくは此処を立ち退かん見付けられなば命危し」ト、いふに鷲郎も心得て、深痍ふかでになやむ黄金丸をわが背に負ひつ、元入りし穴を抜け出でて、わが棲居すみかへと急ぎけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「こは意外長坐しぬ、ゆるしたまへ」ト会釈しつつ、わが棲居すみかをさして帰り行く、途すがら例の森陰まで来たりしに、昨日の如く木の上より、矢を射かくるものありしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
……この頃、湖水と原始林とで美しく飾られた神仙境——すなわち人猿の住居地すみかには、有尾人以外に老人が——紛れもない欧羅巴ヨーロッパの人間があたかも人猿の王かのように彼らの群に奉仕されて、いとも平和に住んでいた。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
長吉は一年ばかり以前同じ地方のNという町から中村家に住換すみかえて来たもので、以前のことは兎も角、中村家へ来てからの彼女には何の変った所もなく、浮いた稼業の女にしては、少し陰気過ぎる気性きしょうであったのが、特徴といえばいいる位でありました。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それは私の住處すみかでない
艸千里 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
「いやこれはありそうなことだ。泥棒の巣窟すみかへ泥棒が忍び込む気遣いはないからな、それで用心しないのだろう」彼は中へはいって行った。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
故に虎が人を襲うに、今度は誰を食うと、ちゃんと目算が立ちおり、その者家にありや否やを考えて、疑わしくば木枝を空中にげ、その向う処をみて占うといい、カンボジア人は、虎栖処すみかより出る時、何気なく尾が廻る、そのさきをみて向うべき処を定むと信ず。
リード氏の魂が、自分の妹の子の受けてゐる不法な待遇に惱まされて、教會の納棺所なふくわんじよ、または何處か知らない、死者の世界にある棲處すみかを去つて、この部屋の私の前に現はれるかも知れないと思つた。