栖処すみか)” の例文
疑わしくば木枝を空中にげ、その向う処をみて占うといい、カンボジア人は、虎栖処すみかより出る時、何気なく尾が廻る、そのさきをみて向うべき処を定むと信ず。
初めは湖畔こはんに出て侵略者しんりゃくしゃむかった彼等も名だたる北方草原の騎馬兵きばへいに当りかねて、湖上の栖処すみかに退いた。湖岸との間の橋桁はしげたてっして、家々の窓を銃眼じゅうがんに、投石器や弓矢で応戦した。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)