“すまい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
住居92.2%
住宅2.0%
棲居1.7%
住家1.2%
住所0.5%
寓居0.5%
住坊0.2%
僑居0.2%
家屋0.2%
居住宅0.2%
幽棲0.2%
数枚0.2%
相好0.2%
相撲0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
酋長ミンチの住居すまいは、大きな九本の椰子やしの木にささえられた大きな家で、遠くからみると、納屋に九本の足が生えているようだった。
太平洋魔城 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしてもなく、わたくし住宅すまいとして、うみから二三ちょう引込ひっこんだ、小高こだかおかに、土塀どべいをめぐらした、ささやかな隠宅いんたくててくださいました。
だから、現在の建築技術は穴の棲居すまいを不可能ならしめ、現在の繊維工業の発達は、毛皮の着物を、常人の手のとどかないところまで駆逐してしまったのである。
「まあ、せいぜい大切だいじにしておあげなさるがいい。手前もまた何かのおりにお訪ねすることもござろうが、ただ今のお住家すまいはこの御近所で?」
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
遠い神主の寓居すまいの方から、三吉、正太の二人が帰って来た頃は、近い親戚のものだけ残った。お倉は取るものも手に着かないという風で、唯もう狼狽ろうばいしていた。お俊は一人で気をんだ。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
東曲輪の大きさは、二十四間に六十間で、三つのうちで最も小さく、中曲輪は信玄の居所、築山泉水毘沙門堂びしゃもんどうなど多少風致を備えていた。西曲輪は姫嬪きひん住坊すまい、人質曲輪とも呼ばれていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
馮大異ひょうたいい上蔡じょうさいの東門にある自分の僑居すまいから近村へ往っていた。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
もっぱら西洋の割烹りょうりを用い。家屋すまいも石造玻窓はそうにかぎり。衣服は筒袖呢布らしゃならでは着するをいとい。家の婢僕ひぼくに至るまでも。わが国振りの衣服を着せしめず。皆洋服の仕為着しきせを用いしむるまでにして。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
隆夫は、めったに主家おもやに顔を出さなかった。それは治明博士が隆夫のために、例の無電小屋を居住宅すまいにあてるよう隆夫の母親にいいつけたからである。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
花なぞを植えて静かに老年の時を送ろうとした先生がしばらく奥さんと別れ住んでいたというその幽棲すまいの方へ行った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
興義これより病えて、はるかの後八三天年よはひをもてまかりける。其の終焉をはりに臨みて、ゑがく所の鯉魚数枚すまいをとりてうみちらせば、画ける魚八四紙繭しけんをはなれて水に遊戯いうげす。ここをもて興義が絵世に伝はらず。
人様々の顔の相好すまい、おもいおもいの結髪風姿かみかたち聞覩ぶんとあつまる衣香襟影いこうきんえいは紛然雑然として千態万状ばんじょう、ナッカなか以て一々枚挙するにいとまあらずで、それにこの辺は道幅みちはば狭隘せばいので尚お一段と雑沓ざっとうする。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
やがて相撲すまいの頃になった。もう十六になった道綱がしきりにそれへ往きたそうにしているので、装束をつけさせて、先ず殿のもとへと言いつけて出してやった。
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)