住家すまい)” の例文
仲々立派な建物で、牛の住家すまいとは思われない。牛舎の中も暗らかった。暗い建物のその中に、象とも見紛う巨大な獣、すなわち闘牛が一匹いた。
闘牛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「まあ、せいぜい大切だいじにしておあげなさるがいい。手前もまた何かのおりにお訪ねすることもござろうが、ただ今のお住家すまいはこの御近所で?」
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
街上では(寒気が厳しかったので)人々は各自の住家すまいの前の舗石の上や、屋根の上から雪をこそげ落しながら、暴々しい、しかし快活な、気持ちの悪くない一種の音楽を奏していた。
その心配は山高さんにお聞きすれば直ぐ分ることだと幹部の方で是非出したい方の人の考えで御造営事務局長の職にあられた山高信離氏のいけはた七軒町の住家すまいへ人を遣って氏の意向を聞かせますと
伴藏は如何いかにもして自分の悪事をかくそうため、今の住家すまい立退たちのかんとは思いましたけれども、あわてた事をしたら人の疑いがかゝろう、あゝもしようか、こうもしようかとやっとの事で一策を案じいだ