寓居すまい)” の例文
正太は一寸上京した帰りがけに、汽車の順路を山の上の方へ取って、一夜を叔父の寓居すまいで送ろうとして立寄ったのであった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
遠い神主の寓居すまいの方から、三吉、正太の二人が帰って来た頃は、近い親戚のものだけ残った。お倉は取るものも手に着かないという風で、唯もう狼狽ろうばいしていた。お俊は一人で気をんだ。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)