“寓意譚”の読み方と例文
読み方割合
ぐういたん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう云う天竺てんじく寓意譚ぐういたんは、聞くともなく説教を聞いていた、この不幸な女の心に異常な感動を与えました。
捨児 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
仏教の寓意譚ぐういたんであるという『西遊記』が、これほど魅魔的みまてきに感ぜられたのは、雰囲気のせいもあった。その頃の加賀かがの旧い家には、まだ一向一揆いっこういっき時代の仏教のにおいが幾分残っていた。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
この一話、操觚者流さうこしやりう寓意譚ぐういたんにあらず、永く西欧の史籍に載りて人の能く伝唱する所、唯これ一片の逸話に過ぎずといへども、しかも吾人にをしふる事甚だ深しとなす。れ貧困は現世の不幸のもつともなる者也。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)