“住家:すみか” の例文
“住家:すみか”を含む作品の著者(上位)作品数
永井荷風3
長谷川時雨3
泉鏡花3
吉川英治3
薄田泣菫3
“住家:すみか”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 神道 > 神祇・神道史100.0%
哲学 > 心理学 > 超心理学・心霊研究9.1%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 民間信仰・迷信[俗信]8.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
おなじような郊外の住家すみかというが、二階から六甲山も眺められる池田での生活には、彼女はガラリと様子が一変してしまった。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
このすでに十二三ばかりすゝみて、海岸かいがんなる櫻木大佐さくらぎたいさ住家すみかからは
三田の部屋の下の川岸を住家すみかとする泥龜は、夏の間に相手を見つけて、何時の間にかやゝ形の小さいのと二疋になつてゐた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
ゆっくりした田舎の時間じかん空間くうかんの中に住みれては、東京好しといえど、久恋きゅうれん住家すみかでは無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
だが、女房かないの顔はうにも手の着けやうが無いので、住家すみかだけをあらたに拵へる事にめた。
三幕目は清三郎の住家すみかで、百姓に身をやつしてゐる蒲地の一子の宗虎丸を、妹お徳と変装さして、隠くしてゐる処。
硯友社と文士劇 (新字旧仮名) / 江見水蔭(著)
僕は彼らの一人に背負われて、その住家すみかに連れこまれ、やがて二階の一室に入れられてはじめて、猿轡と眼かくしとをはずされました。
塵埃は語る (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
その証拠には昔は山籠の住家すみかへ人の尋ねて来るのがうるさかつたのに、今では人が来ないと寂しくてならない。
他処ほかでは見られないことは、この家、この店土蔵だけの住居で二階が住家すみかであり、小さな物干場へは窓からくぐり出していた。
旧聞日本橋:02 町の構成 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
それからおよそ何時間たったかよく分かりませんでしたが、一人の客がその悪漢たちの住家すみかに入ってきました。
塵埃は語る (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
旅寐たびねとこ侘人わびびと住家すみか、いづれにききても物おもひ添ふるたねなるべし。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
入って行くといろいろの奇怪があるように伝えられ、従って天狗の住家すみかか、集会所のごとく人が考えました。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しこたま金が出来てみると、女房かないの顔と現在いま住家すみかとが何だか物足りなくて仕方がない。
どうも物盗りを捕えて、これからその住家すみかへ、実録じつろくをしに行く所らしいのでございますな。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
中にも人目を引く城のやうな一郭ひとかまへ、白壁高く日に輝くは、例の六左衛門の住家すみかと知れた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
明治三十九年の十一月中旬、彼等夫妻は住家すみかを探すべく東京から玉川たまがわの方へ出かけた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
岩代いわしろ信夫郡しのぶごおり住家すみかを出て、親子はここまで来るうちに、家の中ではあっても、この材木の蔭より外らしい所に寝たことがある。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
牛車うしぐるまの天女、湯宿ゆやどの月、山路やまじ利鎌とがま、賊の住家すみか戸室口とむろぐちわかれを繰返して語りつつ、やがて一巡した時
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
以前の住家すみかへゆくと玄関の両側にたてた提灯の定紋じょうもんは古びきって以前のままだが、上方の藩の侍が住んでいて、取次の男が眼をむいてにらんだ。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
四千万の愚物ぐぶつと天下をののしった彼も住家すみかには閉口したと見えて、その愚物の中に当然勘定せらるべき妻君へ向けて委細を報知してその意向を確めた。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かくして吾輩はついにこのうちを自分の住家すみかめる事にしたのである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕は築地何町を隅から隅まで探して、ようやくのことで桂の住家すみかを探しあてた。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
この水兵すいへいもつ申上もうしあげるが、この住家すみかの十ちやう以内いないなれば、何處いづくかるゝも御自由ごじいうなれど
その晩から、万吉は、森囲いの怪しい家、住吉村の三次の住家すみかへ監禁された。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きっかり八時に、わたしはフロックコートを一着におよび、頭のかみを小高くり上げて、公爵夫人こうしゃくふじん住家すみかなる傍屋はなれへ入って行った。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
青年わかものは言葉なく縁先に腰かけ、ややありて、明日あすは今の住家すみかを立ち退くことに定めぬと青年は翁が問いには答えず、微笑ほほえみてその顔を守りぬ。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そのほどよい所の新墓にいはかが民子が永久とわ住家すみかであった。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
天狗の宮にはまつる者がなく窩人の住家すみかには住む者がなく、従来いままで賑やかであっただけにこうなった今はかえって寂しく蕭殺しょうさつの気さえ漂うのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
仕事場の一方には出来上った様々の人形が不思議な群像をなし、そのかたわらに未完成の頭、腕、足などが、まるで人食ひとくい鬼の住家すみかの様にゴロゴロと転がっていた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その北向きの家には、二階をヴァイオリンを弾く御夫婦に貸して、もう、老夫婦の住家すみからしい色に染めてしまって、台所から見える墓場なども案外にぎやかなものだと云っていた。
落合町山川記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「その方の志は好くわかっておる、しかし、わしは、今晩のうちに己の住家すみかへ帰らねばならぬ、その方も仙道せんどうを修めたいと思うなら、これから、わしといっしょに往こう」
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
……そしてこの尊氏へは、果報にえて、なにとぞ、この餓鬼がきどうのあさましい住家すみかから、ほんとうの人間のすみからしい安心の道へおみちびきくださいまし……。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「私の父はミスシツピイで農園をやつてゐましたが、ある時洪水おほみづで農園はすつかり台なしにされてしまひ、加之おまけに私達の住家すみかも根こそぎ持つてかれました。」
畢竟ひっきょう、家相の起こりきたりしは古来の経験により、自然の統計上、いかなる邸宅には病人が多く、いかなる住家すみかには災難が少ないという事実が、土台をなせしに相違ない。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
雲の上をかけはなれたる住家すみかにも物忘れせぬ秋の夜の月
源氏物語:38 鈴虫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
希くば、此の寒空に、汝の温かき住家すみかを出づる勿れ。
カピ長 やゝ、これは! おゝ、我妻わがつまよ、あれ、さしませ、愛女むすめ體内みうちからながるゝ! えゝ、このけん住家すみかをば間違まちがへをったわ。
十勝とかち荒野あらの住家すみかさだめん
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
港は人生の闘に疲れた魂には快い住家すみかである。
「それはもうおっしゃるまでもございません。お部屋というお部屋はもとより、お庭のすみずみまで、わたくしども一同手わけをして……もっとも、鬼どもの住家すみかのほうへは、恐ろしゅうて近よれませんが」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
鼠も昔より国に盗賊家に鼠と嫌われ、清少納言も、きたなげなる物、鼠の住家すみか、つとめて手おそく洗う人、『もっとも草子そうし』ににくき者、物をかじる鼠、花を散らす鳥と言った。
七、コルシカ人を殺せば三界に住家すみかなし。
人狐の住家すみかであると称し、暗に社交をたたるるがごとき制裁を加えらるるのであるから、いくぶんの利もあると主張せんも、古代にあってはかかる迷信的制裁の必要ありとするも、今日にては全く無用であるから
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
なかなかに罪の住家すみか
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
へやは屋根裏と覚しく、天井低くして壁は黒ずみたれど、彼方かなた此方こなた脱捨ぬぎすてたる汚れし寝衣ねまき股引もゝひき古足袋ふるたびなぞに、思ひしよりは居心ゐごゝろ好き住家すみかと見え候。
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
照道大寿真しょうどうだいじゅしんと呼ばれるようになっておるが、近ぢかのうちに、地仙ちせんせきを脱して、天仙てんせんになることになっておる、この霊窟れいくつは、それまで住んでおる仮りの住家すみかじゃ
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そしてもとより、自分の力では到底捕まえることはむずかしいが、二人の帰ってゆく住家すみかをつきとめて、後から官へ訴えて出れば、自然、武蔵のむじつの罪もはれて、牢から解かれて来るにちがいない——と信じるのであった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なアに、あれだけの十二支を女の肌に描くのは、絵にしたって心得がなくっちゃ出来ません。わっしの背中へ六文銭を描いてくれた、人形町の彫辰ほりたつあごを探ったら、大方女の住家すみかの当りが付きましょう、御免」
住家すみかならまし。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
『梅見の船』巻七まきのしちに挿入したる半次郎が猿寺さるでら住家すみかの図は、土佐派古画の絵巻物に見ると同じき方法を取り屋根を除きて上方じょうほうよりななめに家の内外ないがい間取まどりのさまを示したり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
芭蕉の葉色、秋風を笑ひてまがきおほへる微かなる住家すみかより、ゆかしきの洩れきこゆるに、仇心浮きてなかうかゞひ見れば、年老いたる盲女の琵琶を弾ずる面影凛乎りんことして、俗世の物ならず。
秋窓雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
あたりを活気づけるようなものは何ひとつ見あたらず——扉がてされるでもなければ、何処からひとり出て来る人影もなく、住家すみからしい生き生きとしたいそしみの気配は何も感じられない! ただ一つ表門だけが開いていた。
我輩はこの景色のいい住家すみかを捨てていくのは残念だ。我輩はこの奇巌城エイギュイユいただきから全世界を掴んでいた。ほらね、その金の冠を持ち上げて見たまえ。電話が二つあるだろう。一つはパリへ、一つはロンドンへ通じている。
こんなに住みよい所とは思いませんでした、地を蔽う熱帯樹林は、類人猿の住家すみかだそうでございますが、まだ、この眼で見る機会はございません、ダイヤ族の首狩も、ダイヤ族は島の奥におりますそうですし、私たちには関係もなさそうでございます
宇宙爆撃 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
ただ一定の居所を有しないのみで、家族を率いて次から次へと雨露を凌ぐに足る様な適当な岩窟いわやや、塚穴つかあななどを見付けて臨時の住家すみかとし、ざる竹籠たけかごなどを造っては、その付近二三里の場所を売って歩く。
だが彼奴の逃道はもう一つあるんだ。同じA町の養源寺の墓場の裏手に、これも背中合せだが、妙な人形師の店がある。あの不具者はここの家からも出入ではいりしていたことが分った。つまり彼奴の住家すみかは、三つの違った町に出入口を持っている訳だ。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ああ是れぞ横笛が最後の住家すみかよと思へば、流石さすがの瀧口入道も法衣ほふえの袖をしぼりあへず、世にありし時は花の如きあでやかなる乙女をとめなりしが、一旦無常の嵐にさそはれては、いづれのがれぬ古墳の一墓のあるじかや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
——紫玉は、中高な顔に、深く月影に透かして差覗さしのぞいて、千尋ちひろふち水底みなそこに、いま落ちた玉の緑に似た、門と柱と、欄干と、あれ、森のこずえ白鷺しらさぎの影さえ宿る、やぐらと、窓と、たかどのと、美しい住家すみかた。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仮名手本かなでほん忠臣蔵』の作者竹田出雲たけだいずも斧九太夫おのくだゆうという名を与えられて以来、殆ど人非人にんぴにんのモデルであるようにあまねく世間に伝えられている大野九郎兵衛という一個の元禄武士は、ここを永久の住家すみかと定めているのである。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「それにさ随分変な人間に、一時に紹介されたものさ。隅田のご前という凄いような人物や、七人の異様な無頼漢ならずもの達に。……屋敷の構造も変なものであった。……悪人の住家すみかではあるまいかな? あんな所へ桔梗様を置いて、はたして安全が保たれるかな?」これが小一郎には不安であった。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
——紫玉は、中高なかだかな顔に、深く月影に透かして差覗さしのぞいて、千尋ちひろふち水底みなそこに、いま落ちた玉の緑に似た、門と柱と、欄干らんかんと、あれ、森のこずえ白鷺しらさぎの影さへ宿る、やぐらと、窓と、たかどのと、美しい住家すみかた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
蟻、やすで、むかで、げじげじ、みみず、小蛇こへび地蟲じむし、はさみ蟲、冬の住家すみかに眠って居たさまざまな蟲けらは、朽ちた井戸側のあいだから、ぞろぞろ、ぬるぬる、うごめきいだし、木枯こがらしの寒い風にのたうちまわって、その場に生白なまじろい腹を見せながら斃死くたばってしまうのも多かった。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)