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すみか
ふりがな文庫
“
住家
(
すみか
)” の例文
カピ長 やゝ、これは! おゝ、
我妻
(
わがつま
)
よ、あれ、
見
(
み
)
さしませ、
愛女
(
むすめ
)
の
體内
(
みうち
)
から
血
(
ち
)
が
流
(
なが
)
るゝ! えゝ、
此
(
この
)
劍
(
けん
)
は
住家
(
すみか
)
をば
間違
(
まちが
)
へをったわ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
きっかり八時に、わたしはフロックコートを一着におよび、頭の
髪
(
かみ
)
を小高く
盛
(
も
)
り上げて、
公爵夫人
(
こうしゃくふじん
)
の
住家
(
すみか
)
なる
傍屋
(
はなれ
)
へ入って行った。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
ゆっくりした田舎の
時間
(
じかん
)
空間
(
くうかん
)
の中に住み
慣
(
な
)
れては、東京好しといえど、
久恋
(
きゅうれん
)
の
住家
(
すみか
)
では無い。だから皆帰りには欣々として帰って来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
なぜならば土地を離れて、家郷とすべき
住家
(
すみか
)
はないから。そこには拡がりもなく、
触
(
さわ
)
りもなく、無限に実在してゐる空間がある。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
先に、賊の
住家
(
すみか
)
の玄関脇の一室に、棺桶の様な長い箱が置いてあったことを記したが、妙子はその中にとじこめられていたのだ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
此の浮島の東北の隅の
葭
(
よし
)
蘆
(
あし
)
茫々と茂った真中に、たった一軒、古くから立って居る小屋がある。此れは漁師の
万作
(
まんさく
)
が
住家
(
すみか
)
だ。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
青年
(
わかもの
)
は言葉なく縁先に腰かけ、ややありて、
明日
(
あす
)
は今の
住家
(
すみか
)
を立ち
退
(
の
)
くことに定めぬと青年は翁が問いには答えず、
微笑
(
ほほえ
)
みてその顔を守りぬ。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それまで住んでおる仮りの
住家
(
すみか
)
じゃ、ここへその方を
伴
(
つ
)
れて来たのは、その方の精神に感じてのことじゃから、気を置かずに休息するがよかろう
神仙河野久
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
戸村家の墓地は
冬青
(
もちのき
)
四五本を中心として六坪許りを区別けしてある。そのほどよい所の
新墓
(
にいはか
)
が民子が
永久
(
とわ
)
の
住家
(
すみか
)
であった。
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
三田の部屋の下の川岸を
住家
(
すみか
)
とする泥龜は、夏の間に相手を見つけて、何時の間にか
稍
(
やゝ
)
形の小さいのと二疋になつてゐた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
『いろ/\
委
(
くわ
)
しい
事
(
こと
)
を
承
(
うけたまは
)
りたいが、
最早
(
もはや
)
暮
(
く
)
るゝにも
近
(
ちか
)
く、
此邊
(
このへん
)
は
猛獸
(
まうじう
)
の
巣窟
(
さうくつ
)
ともいふ
可
(
べ
)
き
處
(
ところ
)
ですから、
一先
(
ひとま
)
づ
我
(
わ
)
が
住家
(
すみか
)
へ。』と
銃
(
じう
)
の
筒
(
つゝ
)
を
擡
(
もた
)
げた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
四千万の
愚物
(
ぐぶつ
)
と天下を
罵
(
ののし
)
った彼も
住家
(
すみか
)
には閉口したと見えて、その愚物の中に当然勘定せらるべき妻君へ向けて委細を報知してその意向を確めた。
カーライル博物館
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
天狗の宮には
祀
(
まつ
)
る者がなく窩人の
住家
(
すみか
)
には住む者がなく、
従来
(
いままで
)
賑やかであっただけにこうなった今はかえって寂しく
蕭殺
(
しょうさつ
)
の気さえ漂うのであった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
室
(
へや
)
は屋根裏と覚しく、天井低くして壁は黒ずみたれど、
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
に
脱捨
(
ぬぎす
)
てたる汚れし
寝衣
(
ねまき
)
、
股引
(
もゝひき
)
、
古足袋
(
ふるたび
)
なぞに、思ひしよりは
居心
(
ゐごゝろ
)
好き
住家
(
すみか
)
と見え候。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
白姥
(
しろうば
)
の
焼茄子
(
やきなすび
)
、
牛車
(
うしぐるま
)
の天女、
湯宿
(
ゆやど
)
の月、
山路
(
やまじ
)
の
利鎌
(
とがま
)
、賊の
住家
(
すみか
)
、
戸室口
(
とむろぐち
)
の
別
(
わかれ
)
を繰返して語りつつ、やがて一巡した時、花籠は美しく満たされたのである。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それからおよそ何時間たったかよく分かりませんでしたが、一人の客がその悪漢たちの
住家
(
すみか
)
に入ってきました。
塵埃は語る
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
叫
(
さけ
)
び歩くにぞ
名主
(
なぬし
)
の甚兵衞も
持
(
もて
)
あまし其
隱居所
(
いんきよじよ
)
を
追出
(
おひいだ
)
しけり
然
(
され
)
ばお三婆は
住家
(
すみか
)
を失なひ所々方々と
浮
(
うか
)
れ
彷徨
(
さまよひ
)
しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その証拠には昔は山籠の
住家
(
すみか
)
へ人の尋ねて来るのがうるさかつたのに、今では人が来ないと寂しくてならない。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
その晩から、万吉は、森囲いの怪しい家、住吉村の三次の
住家
(
すみか
)
へ監禁された。縄目を解かれてほうり上げられた所は、屋根裏を仕切ったような
空部屋
(
あきべや
)
である。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吝嗇
(
りんしょく
)
一方にて金をたくわえ、公共慈善等には一銭も出金せぬものに対し、他よりその行為を
擯斥
(
ひんせき
)
して、かの家は犬神の系統である、人狐の
住家
(
すみか
)
であると称し
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
世の中の人々の運命や、人々の
住家
(
すみか
)
の移り変りの激しい事等は丁度河の流れにも
譬
(
たと
)
えられ、又奔流に現われては消えさる飛沫の様に極めてはかないものである。
現代語訳 方丈記
(新字新仮名)
/
鴨長明
(著)
「私の父はミスシツピイで農園をやつてゐましたが、ある時
洪水
(
おほみづ
)
で農園はすつかり台なしにされてしまひ、
加之
(
おまけ
)
に私達の
住家
(
すみか
)
も根こそぎ持つて
往
(
ゆ
)
かれました。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鼠も昔より国に盗賊家に鼠と嫌われ、清少納言も、
穢
(
きた
)
なげなる物、鼠の
住家
(
すみか
)
、つとめて手
晩
(
おそ
)
く洗う人、『
尤
(
もっとも
)
の
草子
(
そうし
)
』に
悪
(
にく
)
き者、物をかじる鼠、花を散らす鳥と言った。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
住家
(
すみか
)
らしい生き生きとしたいそしみの気配は何も感じられない! ただ一つ表門だけが開いていた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
家族を率いて次から次へと雨露を凌ぐに足る様な適当な
岩窟
(
いわや
)
や、
塚穴
(
つかあな
)
などを見付けて臨時の
住家
(
すみか
)
とし、
笊
(
ざる
)
や
箕
(
み
)
や
竹籠
(
たけかご
)
などを造っては、その付近二三里の場所を売って歩く。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
我輩はこの景色のいい
住家
(
すみか
)
を捨てていくのは残念だ。我輩はこの
奇巌城
(
エイギュイユ
)
の
頂
(
いただき
)
から全世界を掴んでいた。ほらね、その金の冠を持ち上げて見たまえ。電話が二つあるだろう。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
紅葉
(
もみじ
)
を踏んで箱根の山も越した。以前の
住家
(
すみか
)
へゆくと玄関の両側にたてた提灯の
定紋
(
じょうもん
)
は古びきって以前のままだが、上方の藩の侍が住んでいて、取次の男が眼をむいて
睨
(
にら
)
んだ。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
どうも物盗りを捕えて、これからその
住家
(
すみか
)
へ、
実録
(
じつろく
)
をしに行く所らしいのでございますな。
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
描いてくれた、人形町の
彫辰
(
ほりたつ
)
の
顎
(
あご
)
を探ったら、大方女の
住家
(
すみか
)
の当りが付きましょう、御免
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
中にも人目を引く城のやうな
一郭
(
ひとかまへ
)
、白壁高く日に輝くは、例の六左衛門の
住家
(
すみか
)
と知れた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その北向きの家には、二階をヴァイオリンを弾く御夫婦に貸して、もう、老夫婦の
住家
(
すみか
)
らしい色に染めてしまって、台所から見える墓場なども案外にぎやかなものだと云っていた。
落合町山川記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
岩代
(
いわしろ
)
の
信夫郡
(
しのぶごおり
)
の
住家
(
すみか
)
を出て、親子はここまで来るうちに、家の中ではあっても、この材木の蔭より外らしい所に寝たことがある。不自由にも次第に慣れて、もうさほど苦にはしない。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
私達がその部落に帰ったとき、そこには私達の住むべき家がなかった。そこで、みんながいろいろと相談の上、小林の
嫂
(
あによめ
)
の実家の西にある
薪
(
まき
)
小屋を片づけて私達の
住家
(
すみか
)
としてくれた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
類人猿の
住家
(
すみか
)
だそうでございますが、まだ、この眼で見る機会はございません、ダイヤ族の首狩も、ダイヤ族は島の奥におりますそうですし、私たちには関係もなさそうでございます
宇宙爆撃
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
芭蕉の葉色、秋風を笑ひて
籬
(
まがき
)
を
蓋
(
おほ
)
へる微かなる
住家
(
すみか
)
より、ゆかしき
音
(
ね
)
の洩れきこゆるに、仇心浮きて
其
(
そ
)
が
中
(
なか
)
を
覗
(
うかゞ
)
ひ見れば、年老いたる盲女の琵琶を弾ずる面影
凛乎
(
りんこ
)
として、俗世の物ならず。
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
だから、わたしは、御覧のとおり、自分のために夢の
住家
(
すみか
)
をつくったのだ。
しめしあわせ
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
して……もっとも、鬼どもの
住家
(
すみか
)
のほうへは、恐ろしゅうて近よれませんが
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
三幕目は清三郎の
住家
(
すみか
)
で、百姓に身をやつしてゐる蒲地の一子の宗虎丸を、妹お徳と変装さして、隠くしてゐる処。お徳が小波で、清三郎が虚心。妹の方がノツポーで、兄の方がチンチクリン。
硯友社と文士劇
(新字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
旅寐
(
たびね
)
の
床
(
とこ
)
、
侘人
(
わびびと
)
の
住家
(
すみか
)
、いづれに
聞
(
きき
)
ても物おもひ添ふる
種
(
たね
)
なるべし。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
入って行くといろいろの奇怪があるように伝えられ、従って天狗の
住家
(
すみか
)
か、集会所のごとく人が考えました。その奇怪というのは何かというと、第一には
天狗礫
(
てんぐつぶて
)
、どこからともなく石が飛んでくる。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ああ是れぞ横笛が最後の
住家
(
すみか
)
よと思へば、
流石
(
さすが
)
の瀧口入道も
法衣
(
ほふえ
)
の袖を
絞
(
しぼ
)
りあへず、世にありし時は花の如き
艷
(
あで
)
やかなる
乙女
(
をとめ
)
なりしが、一旦無常の嵐に
誘
(
さそ
)
はれては、いづれ
遁
(
のが
)
れぬ古墳の一墓の
主
(
あるじ
)
かや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
雲の上をかけはなれたる
住家
(
すみか
)
にも物忘れせぬ秋の夜の月
源氏物語:38 鈴虫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
希くば、此の寒空に、汝の温かき
住家
(
すみか
)
を出づる勿れ。
小山内君の戯曲論:――実は芸術論――
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
港は人生の闘に疲れた魂には快い
住家
(
すみか
)
である。
港
(新字旧仮名)
/
シャルル・ピエール・ボードレール
(著)
ここを永久の
住家
(
すみか
)
と定めているのである。
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
七、コルシカ人を殺せば三界に
住家
(
すみか
)
なし。
ノンシャラン道中記:05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
これがまあつひの
住家
(
すみか
)
か雪五尺 一茶
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
十勝
(
とかち
)
の
荒野
(
あらの
)
住家
(
すみか
)
定
(
さだ
)
めん
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
あの不具者はここの家からも
出入
(
ではい
)
りしていたことが分った。つまり彼奴の
住家
(
すみか
)
は、三つの違った町に出入口を持っている訳だ。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
下女は
口惜
(
くや
)
しそうに吾輩を台所へ
抛
(
ほう
)
り出した。かくして吾輩はついにこの
家
(
うち
)
を自分の
住家
(
すみか
)
と
極
(
き
)
める事にしたのである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“住家”の意味
《名詞》
住居。すみか。すまい。
(出典:Wiktionary)
住
常用漢字
小3
部首:⼈
7画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“住”で始まる語句
住居
住
住吉
住所
住持
住人
住職
住宅
住処
住民