みなと
港は人生の闘に疲れた魂には快い住家である。空の広大無辺、雲の動揺する建築、海の変りやすい色彩、燈台の煌き、これらのものは眼をば決して疲らせることなくして、楽しませるに恰好な不可思議な色眼鏡である。調子よく波に揺られてゐる索具の一杯ついた船の …
題名が同じ作品
(旧字旧仮名)桜間中庸 (著)