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栖家
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すみか
ふりがな文庫
“
栖家
(
すみか
)” の例文
とにかく、この辺には、昔の蝦夷の
栖家
(
すみか
)
の面影は少しも見受けられず、お天気のよくなつて来たせゐか、どの村落も小綺麗に明るく見えた。
津軽
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
我は尚席上にて、マリウチア、ドメニカ等に教へられし歌をうたひ、又曠野の中なる古墳の
栖家
(
すみか
)
、眼の光おそろしき水牛の事など人々に語り聞せつ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
あゝいふ昔の人が最後の
栖家
(
すみか
)
を求めて石見地方の寺にそれを見つけたといふのは、その事がすでになつかしい。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
木の幹などはいうに及ばず窓の
縁
(
ふち
)
や
縁側
(
えんがわ
)
や時としては
鴨居
(
かもい
)
までにおる、なめくじりは雨を喜ぶあまりに自分の
栖家
(
すみか
)
もふりすてて
高歩
(
たかある
)
きをしておるというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
家族は東京に殘したまゝであつたので、戻つてゆく
栖家
(
すみか
)
には不自由がない。戸山ヶ原の近くに五百坪ばかりの地所もあり、家も燒けのこつてゐた。磯部はひとまづ、河邊の家へ落ちついた。
崩浪亭主人
(旧字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
「そこから出て来たのだ。動物は習慣に支配せられ易いもので、一度止まった処にはまた止まる。外へ棄てても、元の
栖家
(
すみか
)
に帰る。何も不思議な事はないのですよ。兎に角この蛇はわたしが貰って行こう。」
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
死者のみ、ひとり吾に聽く、
奧津城處
(
おくつきどころ
)
、わが
栖家
(
すみか
)
。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
景をポジリツポに取りて、わざと其名をば擧げざりき。
簷
(
のき
)
傾き廊朽ちて、今や漁父の
栖家
(
すみか
)
となりぬ。聖像を燒き附けたる窓の下に床ありて、一童子臥したり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その間に彼は師匠が余生を送ろうとする
栖家
(
すみか
)
の壁、柱なぞにも目をとめて見る時を持った。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
死者のみ、ひとり吾に聴く、
奥津城処
(
おくつきどころ
)
、わが
栖家
(
すみか
)
。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
されど左樣なる人になりては、ドメニカが許には居られぬにや。また御館へは來られぬにや。フランチエスカ。汝は猶母の上をば忘れぬなるべし。初の
栖家
(
すみか
)
をも忘れぬなるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
これがついの
栖家
(
すみか
)
か、と考えて、あたりを見回すたびに、彼は無量の感慨に打たれずにはいられなかった——たとい、お民のような多年連れ添う妻がそばにいて、共に余生を送るとしても。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
栖
漢検準1級
部首:⽊
10画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“栖”で始まる語句
栖
栖鳳
栖所
栖処
栖息
栖方
栖鶴軒
栖子
栖軽
栖遅