トップ
>
『崩浪亭主人』
ふりがな文庫
『
崩浪亭主人
(
ほうろうていしゅじん
)
』
砂風の吹く、うそ寒い日である。ホームを驛員が水を撒いてゐる。硝子のない、待合室の外側の壁に凭れて、磯部隆吉はぼんやりと電車や汽車の出入りを眺めてゐた。 靴のさきが痛い。何だか冷たいものでも降つてきさうな空あひで、ホームの中央に吊りさがつてゐ …
著者
林芙美子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「小説新潮」1947(昭和22年)10月号
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約20分(500文字/分)
朗読目安時間
約32分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
懷
(
おもひ
)
易
(
かは
)
朴
(
ほほ
)
昏
(
くら
)
伊織
(
いおり
)
凭
(
もた
)
房戸
(
ばうと
)
枕席
(
ちんせき
)
栖家
(
すみか
)
燭火
(
ともしび
)
生身
(
なまみ
)
皓
(
しろ
)
老春
(
らうしゆん
)