“すみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スミ
語句割合
62.6%
11.8%
5.0%
4.2%
2.8%
2.4%
墨汁2.1%
木炭1.6%
1.2%
1.2%
(他:30)5.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
漆喰しっくいの土間のすみには古ぼけたビクターの蓄音器が据えてあって、磨り滅ったダンスレコードが暑苦しく鳴っていた。
ある崖上の感情 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
朋輩ほうばい芸者の前に出すのだが、きゃらぶき葉蕃椒はとんがらしのようなものも、けんどんのすみに仕舞っておき
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
きゅうりのあおいつやつやとしたはだは、二郎じろうこうとするふでさきすみをはじきました。
遠くで鳴る雷 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「して、どう落ちのびまするか。ここは川ノ辻です。西へ下れば、摂津のすみ。北へ行けば、淀川へ出てしまいますが」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じつまたじつかれかせぎにかせぎ、百姓ひやくしやう勿論もちろんすみやけ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「いいえ、もうお恥かしい山家暮し、冬はかりをし、夏はすみまきを里に出して、細々すごしている親子でござります」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
友達の家に旅装をといて、浴室を出ようとすると、夕陽を浴びた廊下のすみから私の方を視凝みつめてゐる女の鋭い視線を見ました。
私たちは足を麓のほとりにたゆたわす程の序に、大間々おおままという駅近くのおすみ桜という名木を見物いたします。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それから一週間ばかり経って後のある日、開墾の方が予定よりもずっとすみやかに進んだことのお祝いを兼ねて、慰労の催しをすることがありました。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ことに小幡城は、小牧から出て来たときも、ひき揚げにも、ここが家康の完全なる前線基地となって、その進退を、頗るすみやかにさせたのであった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この途端に抱寝していた小児こどもが俄におびえて、アレすみが来た、怖いよゥと火の付くように泣立てる。
お住の霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お延を引張って、わざわざ庭先から座敷へ上った叔父は「すみ、住」と大きな声で叔母を呼んだ。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蛸は敵にあつてにげるときや、大きな獲物を襲ふときには、口から墨汁すみをふいて、あたりを真つ暗にする習慣をもつてゐます。
動く海底 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「なに、俺が、書いてやるのだ。白木綿しろもめんいて来い。——それから、大きな筆と、墨汁すみも、たっぷりと」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「楢渡なら方向はちゃんとわかっているよ。あすこでしばらく木炭すみを焼いていたのだから方角はちゃんとわかっている。行こう。」
(新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「いや、昨夜、遅く便所せっちんへ往きよって、ひっくりかえって鍋で額を怪我して、裏の木炭すみ納屋で寝ております」
鍛冶の母 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
文三がすみませぬの水を斟尽くみつくしてそそぎかけたので次第々々に下火になって、プスプスいぶりになって
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
貴方が若様なれば何うか此方こちらへ一晩でもお泊め申さんではすみませんから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
玉川たまがわの方です。骸骨がいこつのパチノとおすみという日本の女との間に出来た子供のことについて調べに行くと云っていましたよ」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
マロニエの木立こだちが一斉にやはらかい若葉を着けたので、巴里パリイの空の瑠璃るり色のすみ渡つたのに対し全市の空気が明るい緑に一変した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それを抜いて皿へ盛って桃とかあんずとか酸味すみのある菓物くだものの煮たのと附合せて食べると大層美味しゅうございます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
これだけでもなかなか結構ですが菓物のシチューを添えて食べると酸味すみと甘味でいよいよ美味おいしくなります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
西の京にばけものすみて久しくあれはてたる家ありけり今は其さたなくて
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
西の京にばけものすみて久しくあれ果たる家ありけり今は其さたなくて
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ぬきやら角木すみぎの割合算法、墨縄すみの引きよう規尺かねの取りよう余さずらさず記せしもあり、中には我のせしならで家に秘めたる先祖の遺品かたみ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
墨縄すみの引きやう規尺かねの取り様余さず洩さず記せしもあり、中には我の為しならで家に秘めたる先祖の遺品かたみ、外へは出せぬ絵図もあり、京都きやうやら奈良の堂塔を写しとりたるものもあり
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
大層遅かったではないか、と云いつつ背面うしろへ廻って羽織を脱がせ、立ちながらあごに手伝わせての袖畳み小早く室隅すみの方にそのままさし置き
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
立ながらあごに手伝はせての袖畳み小早く室隅すみの方に其儘さし置き、火鉢の傍へ直また戻つて火急たちまち鉄瓶に松虫の音をおこさせ、むづと大胡坐かき込み居る男の顔を一寸見しなに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ここかしこの短檠たんけいや燈台の灯はすみをふいて暗く揺れ、火元の方の烈しい物音と共に、たちまち物凄い家鳴やなりがすべてをつつんでしまった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
風もないのに、すみを吐いて、ゆらゆらと火色の変じる短檠たんけいのあかりを見て、
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すみやかに前轍ぜんてつを改む、と云い、一念の微なるも、鬼神降監す、安しとする所に安んずるなかれ、たしなむ所を嗜む勿れ、といい、表裏交々こもごも修めて、本末一致せんといえる如き
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
葛笑うていわく、汝が家染肆を張る、かつわれ何に従ってその数を知らんや、と。民拝しかつ泣く。葛また笑うていわく、汝壺酒をもって来たれ、まさによくこれを知るべし、と。民喜んですみやかに帰り、酒殽を携えて至る。
包みのまま、銀につきつけて、それでもつてち殺してある、かんなのみや鋸や、または手斧ておの曲尺まがりかねすみ縄や、すべての職業道具しようばいどうぐ受け出して、明日からでも立派に仕事場へ出て、一人の母にも安心させ、また自分の力にもなつてくれるやうにと、すがりつくやうにして泣き且つ頼んだ。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
善庵の姉寿美すみと兄道昌どうしょうとは当時の連子つれこで、善庵はまだ母の胎内にいた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
後妻こうさい寿美すみ亀高村喜左衛門かめたかむらきざえもんというものの妹で、仮親かりおや上総国かずさのくに一宮いちのみやの城主加納かのう遠江守久徴ひさあきらの医官原芸庵はらうんあんである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「すうちゃん、このカフェはのろわれているんだよ、君も早くほかへすみかえをするといい。僕は見たんだ。たしかに此の眼で見たんだ、しかも時刻はまさに二時二十分——丁度ちょうどふみちゃんが殺された時間だ」
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
またここにも、無数の吊りあかりやら芝居篝が、ソヨ風のたび油煙すみを吹いたり火をハゼたりした。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清瀬洲美すみさんというんです。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あゝれが貧乏びんぼうつたからかまいつけてれぬなとおもへばなんことなくすみましよう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
石炭すみ運びの手が足りないって云うんです。みんなブツブツ云っているらしいんです……済みませんが……」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おまけに横浜市内の道路工事の影響おかげとかで、臨時人夫エキストラが間に合わないと来たので、機関部の石炭すみ運びなんかは、文字通りの地獄状態に陥ってしまったものだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
日本で大山祇おほやまずみの神のすみ海童わだつみつみも、同音同義である。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
——やくといふは、たとへば骰子さいかどがあり、ますにはすみがあり、ひとには關節つぎふしはうには四すみのあるごとく、かぜはうよりけば弱く、すみよりふけば強く、やまひうちより起ればしやすく、ふしより起ればしがたし。
世のうつろひの すみやかなる
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
ようやくにして父のボートがみぎわへたどりついた。折もよし、村の人人は須美すみに連れられて走って来た。
おさなき灯台守 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
須美すみ、浜へ出て見ておで、何だか変な物が望遠鏡に映ったから」
おさなき灯台守 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
ふとお葉はこう思って、今日の昼こっそり田安家のお長屋、主税の屋敷の方へ行ってみた。すると幸いにも主税の親友の、鷲見すみ与四郎と逢うことが出来た。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「何だ貴公、鷲見すみではないか」
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「正ちゃんは大変なことをしていますよ。」お庄が叔母に言いつけると、叔母もびっくりして出て来て見た。弟の腕には、牡丹ぼたんのような花が、碧黒あおぐろすみを入れられてあった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)