“すみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スミ
語句割合
60.1%
12.4%
6.2%
4.9%
2.9%
2.5%
墨汁2.2%
木炭1.3%
1.3%
1.2%
酸味0.7%
0.6%
0.3%
墨縄0.3%
室隅0.3%
0.3%
泥炭0.1%
石炭0.1%
寿美0.1%
須美0.1%
鷲見0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
油煙0.1%
洲美0.1%
炭団0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
酢味0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よるもうっかりながしのしたや、台所だいどころすみものをあさりに出ると、くらやみに目がひかっていて、どんな目にあうかからなくなりました。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
二郎じろうは、自分じぶんをそのきゅうりにきました。きゅうりのあおいつやつやとしたはだは、二郎じろうこうとするふでさきすみをはじきました。
遠くで鳴る雷 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うつるにつれて黄蝋の火は次第にすみにおかされて暗うなり、燭涙しょくるいながくしたたりて、ゆかの上にはちぎれたるうすぎぬ、落ちたるはなびらあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
お六は、急ぎ反対側のすみかくれソッと覗いていると、鏡丹波を先頭に、多くの門弟が廊下を来て、部屋のまえに立ちどまった。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
新しく計画した生活上のプロットが既に目睫もくしょうに迫っている折からだったので、この行程は最もすみやかに処置して来なければならなかった。
ゼーロン (新字新仮名) / 牧野信一(著)
アアしょうはただ自分の都合によりて、先祖代々師と仰がれし旧家をば一朝その郷関より立ち退かしめすみも慣れざる東の空にさまよわしめたるなり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
そうして銃身の撥条バネ墨汁すみで塗ったヒューズと取り換えておいたのです。……ですから撃鉄ひきがねを引いても落ちやしないんです。この通りです
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「いや、昨夜、遅く便所せっちんへ往きよって、ひっくりかえって鍋で額を怪我して、裏の木炭すみ納屋で寝ております」
鍛冶の母 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すみわたれる望月もちづきの空に、トリヴィアが、天のふところをすべて彩色いろど永遠とこしへのニンフェにまじりてほゝゑむごとく 二五—二七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
白粉おしろいつけて衣類きものきて迷ふて来る人をれかれなしに丸めるがあの人達が商売、ああれが貧乏に成つたからかまいつけてくれぬなと思へば何の事なくすみましよう
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「いま思えば、卯木どのは、一ト月ほど前から、ひそかに酸味すみを好んでいた風でもある。よくよく思い余った末か」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西の京にばけものすみて久しくあれはてたる家ありけり今は其さたなくて
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
白粉おしろいつけて衣類きものきてまよふてひとれかれなしにまるめるが人達ひとたち商買しやうばい、あゝれが貧乏びんぼうつたからかまいつけてれぬなとおもへばなんことなくすみましよう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
椽板椽かつら亀腹柱高欄垂木ます肘木ひぢきぬきやら角木すみぎの割合算法、墨縄すみの引きやう規尺かねの取り様余さず洩さず記せしもあり、中には我の為しならで家に秘めたる先祖の遺品かたみ、外へは出せぬ絵図もあり
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
立ながらあごに手伝はせての袖畳み小早く室隅すみの方に其儘さし置き、火鉢の傍へ直また戻つて火急たちまち鉄瓶に松虫の音をおこさせ、むづと大胡坐かき込み居る男の顔を一寸見しなに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
風もないのに、すみを吐いて、ゆらゆらと火色の変じる短檠たんけいのあかりを見て
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その泥炭すみの燃えてるように明るく。わたしが死ねば
火からうず巻いてのぼる泥炭すみの煙をながめ
おまけに横浜市内の道路工事の影響おかげとかで、臨時人夫エキストラが間に合わないと来たので、機関部の石炭すみ運びなんかは、文字通りの地獄状態に陥ってしまったものだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
石炭すみ運びの手が足りないって云うんです。みんなブツブツ云っているらしいんです……済みませんが……」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
善庵、名はてい、字は五鼎、実は江戸の儒家片山兼山かたやまけんざんの子である。兼山の歿したのちつまうじが江戸の町医朝川黙翁もくおうに再嫁した。善庵の姉寿美すみと兄道昌どうしょうとは当時の連子つれこで、善庵はまだ母の胎内にいた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
玄碩のはじめさい某氏には子がなかった。後妻こうさい寿美すみ亀高村喜左衛門かめたかむらきざえもんというものの妹で、仮親かりおや上総国かずさのくに一宮いちのみやの城主加納かのう遠江守久徴ひさあきらの医官原芸庵はらうんあんである。寿美が二女を生んだ。長をかんといい、次を鉄という。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ようやくにして父のボートがみぎわへたどりついた。折もよし、村の人人は須美すみに連れられて走って来た。
おさなき灯台守 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
須美すみ、浜へ出て見ておで、何だか変な物が望遠鏡に映ったから」
おさなき灯台守 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
すると幸いにも主税の親友の、鷲見すみ与四郎と逢うことが出来た。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「何だ貴公、鷲見すみではないか」
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すなわち奮って而してかなしみ、すみやかに前轍ぜんてつを改む、と云い、一念の微なるも、鬼神降監す、安しとする所に安んずるなかれ、たしなむ所を嗜む勿れ、といい、表裏交々こもごも修めて、本末一致せんといえる如き
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
葛また笑うていわく、汝壺酒をもって来たれ、まさによくこれを知るべし、と。民喜んですみやかに帰り、酒殽を携えて至る。
それでもつてち殺してある、かんなのみや鋸や、または手斧ておの曲尺まがりかねすみ縄や、すべての職業道具しようばいどうぐ受け出して、明日からでも立派に仕事場へ出て、一人の母にも安心させ
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
すうちゃん、このカフェはのろわれているんだよ、君も早くほかへすみかえを
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
またここにも、無数の吊りあかりやら芝居篝が、ソヨ風のたび油煙すみを吹いたり火をハゼたりした。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清瀬洲美すみさんというんです。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて、座が定まると、お経を読むでもなく、念仏を称えるでもなく、尼法師がおもむろに取り出したのは、緞子どんすの袋に入った紫檀の十炷香箱、一重口白磁の香爐に、流儀の炭団すみを入れ、銀葉を置いて
百濟では都慕と言ひ、高句麗地方の人々は東明とも鄒牟とも朱蒙とも云ふ。日本で大山祇おほやまずみの神のすみ海童わだつみつみも、同音同義である。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
やくといふは、たとへば骰子さいかどがあり、ますにはすみがあり、ひとには關節つぎふしはうには四すみのあるごとく、かぜはうよりけば弱く、すみよりふけば強く、やまひうちより起ればしやすく
世のうつろひの すみやかなる
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
「オ、梅湯か。ム、たいそうかおりがいい、酢味すみもちょうどだ。ところで婆さん、梅っていう字はばいとも書く。楳の意味はまた、媒人なこうどにも通じるッてね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
弟の腕には、牡丹ぼたんのような花が、碧黒あおぐろすみを入れられてあった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)