“碧黒”の読み方と例文
読み方割合
あおぐろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたりは碧黒あおぐろい波間にみえ、二匹の龍が、自分に戯れからんでくる。自分はこわくて、逃げもがき、もがくうちにゴク、ゴク、ゴクと水を呑んだ……。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
倉庫で働いている男や、黙って荷積みをしている人夫の姿が、時々お庄の目にわびしく映った。碧黒あおぐろくおどんだ水には白い建物の影が浸って、荷船が幾個いくつ桟橋際さんばしぎわつながれてあった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
月はなかったが、何といううつくしい星空だろう! 碧黒あおぐろい壁一めんに、銀のびょうを打ったような星がちかちかとかずかぎりもなくまたたいていて、手をのばしただけで、つかみ取れそうに近かった。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)