“つと”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツト
語句割合
24.4%
22.0%
14.6%
12.0%
9.6%
6.1%
5.6%
1.0%
努力0.5%
土産0.5%
0.3%
0.3%
0.3%
苞苴0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
奉公0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「冬次郎様をはじめとし、戸ヶ崎氏や汝らが、諸角覚蔵方に滞在し、我々の様子うかがいおること、拙者においてはつとに承知じゃ」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
沮喪そそうせず、妥協せずに、自分自身に最善を尽した生活律を建て得る「自由」と「聡明」の精神を養わせる教育につとめて欲しいと思う。
鏡心灯語 抄 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
だが、犯罪の裏にはほとんど例外なく恋がある。その犯罪の解決に当る探偵家が、恋知らずの木念人ぼくねんじんでどうしてつとまるものぞ、とも云える。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
女を慕いそれをうたう時はこういう隙間やかげからうたうものらしいと、私の盗みはそこから眼をさましかけ、それにつとめたものである。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
ところが、鍋島家なべしまけの役筋の方では、訴えられて非常に弱った。殊に、刈屋頼母かりやたのもは極力それを揉み消し、百助と久米一との和解につとめた。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ナットノオトコ 越後の各郡では歳の暮に納豆を寝せるのに、藁を引き結んだものをそのつとの中に入れ、これを納豆の男といっている。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それであなたはわたしたちにつとめてくれることになるし、わたしたちはわたしたちで、あなたがたのお役に立つこともありましょう
彼の体は前岸かわむこうの平らかな岩の上に持って往かれた。彼は三年目にしてはじめて白竜山の本山ほんざんの中へ一歩を入れることができた。彼はよろこんで岩をつとうて往った。
仙術修業 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
小躍りして歌って居る思いを「何でもない」静けさで被うて居ようと自分の前に努力つとめて居るいじらしい様子を見ると、余り可哀そうな之からの事を思うて蕙子は口も利けない様であった。
お久美さんと其の周囲 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
土産つとにして凉しと云はん人は誰
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
又曰く、予深く其の去るをおしみ、ためこの詩をす、既に其の素有の善を揚げ、またつとむるに遠大の業を以てすと。潜渓の孝孺を愛重し奨励すること、至れり尽せりというべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
季康子問う、民をして敬忠ありてつとめしめんには如何にすべき。子曰く、之に臨むにそうを以てすれば則ち敬あらん、孝慈ならば則ち忠あらん、善きを挙げて不能を教うれば則ちつとめん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
その間孜孜ししとして之をつとめば、まさに事として成らざるなかるべし。老禅の一語、実に虚しからざる也、古人学業終身を期せんのみ。汝等深く思うてこれを勉めよ。
洪川禅師のことども (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
帰途医科大学の前へ出るまでに納豆なっと苞苴つとのようなものを提げて行く人達を幾度も見かけた。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
孔子學に志してより七十に至るまで、十年毎に自ら其のすゝむ所有るをさとり、孜孜しゝとして自らつとめて、らうの將に至らんとするを知らず。
〔譯〕君子は自らこゝろよくし、小人は自らあざむく。君子は自らつとめ、小人は自らつ。上たつと下たつとは、一のの字に落在らくざいす。
我利これつとめ、はなはだしきは千百年来の由緒あり、いずれも皇室に縁故ある諸神を祀れる神社を破壊、公売するより、見習うて不届き至極の破壊主義を思いつくようでは
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
只今ごとき無慙無義にして神社を潰して自分の俸給を上げんことのみつとめ、あるいは枯損木と称して枯損にあらざる神木を伐り売るような神職が、何を誦し何を講じたりとて
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
トルストイ伯曰く「神を知ることゝ生命いのちとは一にして離るべからざる者なり。神は生命なり。神を求むるをつとむべし、神なくして生命ある事あたはじ」
トルストイ伯 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
人あり来り問うて曰く、何処の使人ぞ。答へて曰く、日本国の使なり、云々。唐人我が使に謂って曰く、つとに聞く、海東に大倭国あり、これを君子国と謂ふ。
国号の由来 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
五二百姓おたからつとめてたなつものを出し、工匠等たくみらつとめてこれを助け、商賈あきびとつとめてこれかよはし、おのれおのれが五三なりをさめ家を富まして、みおやを祭り子孫のちはかる外、人たるもの何をかさん。ことわざにもいへり。
「このたびは、法隆寺へ修学のよしじゃが、あまりつとめて、からだを、そこねるなよ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
爾らのうちたれかよくおもい煩いてその生命いのちを寸陰も延べ得んや、また何故にころものことを思いわずらうや、野の百合花ゆり如何いかにしてそだつかを思え、つとめずつむがざるなり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
つとに文筆のみならず、音楽にも亦深い趣味と諒解があって、誠に多芸多能の人であった。
徹底的な浜尾君 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「荒つとに蔦のはじめや飾り縄」で、延喜式の出来た時は頼朝があごで六十余州を指揮しきする種子たねがもうかれてあつたとも云へるし、源氏物語を読んでは大江広元が生まれないはるかに前に
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
石黒忠悳男は今ではひまにまかせて茶の湯を立てたり、媒人なかうどをしたり、また喧嘩の仲裁をしたりして暮してゐる。その石黒男のやしきに長年奉公つとめてゐる女中が、ある日の事、男爵の前に両手を突いて
万作も少しは塩梅あんばいも宜いから、つとめて起きて、親子三人大骨折して後の山にようよう雨露を凌ぐばかりの仮小屋を建てて其処に住んだ。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
しかも大ていの場合主役をつとめていた清水は、決して彼自身が謙遜して言う程有名でない役者ではなかったのだから……
象牙の牌 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
なお、家持には、「のこりの雪にあへ照る足引の山橘をつとにつみな」(巻二十・四四七一)という歌もあって、山橘に興味を持っていることが分かる。この巻十九の歌の方がまさっている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
無残の屍骸かばねらすということは、特に『心臓捕り事件』として、つとに報じた所であるが、今暁復もや其犠牲者が、川口の水面に浮かんで来た。
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その外出頭のびんからつとのあたりに気を付けてみますると、一度、毛がピッシャリと地肌に押付けられたものを、又掻き起いて恰好を付けた痕跡あとが、そのまま髪毛の癖になって
「飲食男女は人の常性なり、死亡貧苦は人の常艱なり、其性を遂げ其艱を去るは皆自然の符なれば、励めざるも之に赴き、刑せざるも之をつとめ」