“木念人”の読み方と例文
読み方割合
ぼくねんじん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが、犯罪の裏にはほとんど例外なく恋がある。その犯罪の解決に当る探偵家が、恋知らずの木念人ぼくねんじんでどうしてつとまるものぞ、とも云える。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
なんという木念人ぼくねんじんだろう、因業な寒鴉め、といったところで仕方もないかい。ときに爺さん、手間は取らさねえからそこいらまでいっしょにあゆびねえ。股火鉢またひばち五合ごんつくとやらかそう。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おれは妙だと思つての、両掛の行李を下げた儘、梯子口から下を覗いて見ると、広い土間のまん中にや、あの越後屋重吉と云ふ木念人ぼくねんじんが、繩尻は柱にくくられながら、大あぐらをかいてゐやがる。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)