“しゅ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シュ
語句割合
23.7%
21.8%
19.8%
14.3%
8.1%
3.2%
2.9%
1.3%
1.0%
0.6%
0.6%
0.3%
一炷0.3%
朱塗0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
有難う。屋敷の名も申さず、定めし無礼な奴と思うであろうが、何事もおしゅのため、——この私に免じて許して下され。早速悪者を
満面しゅを注いでの熱演は大河の蝉の鳴き声とは全く対蹠的たいしょてきだったが、節まわしはさすがに堂に入ったもので、これも大喝采だった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「あの爺さんしようがないんですよ。それに小汚こぎたなくてしようがありませんや。」肴屋のわかしゅは後で台所口へ来て、そのことを話した。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「そのむすめは、一しゅ精神病者せいしんびょうしゃにちがいなかろう。診察しんさつをして、できることなら自分じぶんちからでなおしてやりたいものだ。」とおもいました。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女かのじょは、小指こゆびりました。そして、あかを、サフランしゅのびんのなからしました。ちょうど、まどそとは、いい月夜つきよでありました。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あはれ、殊勝な法師や、捨身しゃしん水行すいぎょうしゅすると思へば、あし折伏おれふ枯草かれくさの中にかご一個ひとつ差置さしおいた。が、こいにがしたびくでもなく、草をしろでもない。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しゅうたおのずとわたくしくちいてたのもそのときでございます。真嶺さねし、相摸さがむ小野おのに、ゆるの、火中ほなかちて、いしきみはも……。
『倶舎論』に曰く、「死有しうののち、生有しょううさきにありて、二者の中間ちゅうげんに、五蘊ごうんの起こるあり。生処しょうしょに至らんがためのゆえに、このしんを起こす。二しゅの中間なるがゆえに、中有ちゅううと名づく」
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
十人は十人の因果いんがを持つ。あつものりてなますを吹くは、しゅを守って兎を待つと、等しく一様の大律たいりつに支配せらる。白日天にちゅうして万戸に午砲のいいかしぐとき、蹠下しょかの民は褥裏じょくり夜半やはん太平のはかりごと熟す。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ピアノしゅは幾度もピアノをいた。婦人連は仕方なしに、婦人同志で組んでおどった。が、女ばかりじゃつまらないと見えてきにめた。時計が九時半を報じた。乃公は益〻慄えて来た。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼女に対してしようとしている自分のある企てが、かくまでしゅねく自分を掻き乱し、悩ましていようとは思わなかった。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
山は高房山こうぼうざん横点おうてんを重ねた、新雨しんうを経たような翠黛すいたいですが、それがまたしゅを点じた、所々しょしょ叢林そうりん紅葉こうようと映発している美しさは、ほとんど何と形容していか、言葉の着けようさえありません。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「山石の青緑だの紅葉のしゅの色だのは、今でもありあり見えるようです」
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
明窓浄几めいそうじょうき一炷しゅノ香一へいノ花。筆硯ひっけん紙墨ハかならずそなフ。茗ハ甚シク精ナラザルモマタ以テ神ヲ澄スニ足リ、菓ハ甚シク美ナラザルモマタ以テ茗ヲ下スニ足ルベシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
右の手に朱塗しゅにぎりのはさみ持たせられしまま、図らずここに来かかりたまいぬ。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
手と手の間に、しゅを争うように、印籠が、揉まれた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そんなに気のきかねえ話じゃありませんよ。——れん手管てくだの裏表、色のしゅわけ——と言ったような」
東晋の咸康かんこう年中に、州の刺史毛宝ししもうほうしゅの城を守っていると、その部下の或る軍士が武昌ぶしょういちへ行って、一頭の白い亀を売っているのを見た。
しゅころも薄くして来りるにものう
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
前足皆白い馬をけい、後足皆白きを、前右足白きは啓、前左足白きは、後右足白きはじょう、後左足白きはしゅなどなかなか小むつかしく分別命名しある。わが邦も毛色もて馬を呼ぶに雑多の称あり。