“一炷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちす25.0%
いっしゅ25.0%
いつす12.5%
いっちゅう12.5%
いつしゆ12.5%
しゅ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一炷いちすのかをりきくゆる
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
予はただ笑止に思うに過ぎぬ。予はただここに一炷いっしゅの香をひねってこれを弔するに過ぎぬ。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
机竜之助の前には島田虎之助が衣紋えもんの折目正しく一炷いっちゅうこういて端坐しているところへ、自分は剣を抜いて後ろからねらい寄る、刀を振りかぶると前を向いていた島田が忽然こつぜんとこっちへ向く
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
少女はこの一炷いつしゆかう清閑せいかんを愛してゐるのであらうか? いや、更に気をつけて見ると、少女の顔に現れてゐるのはさう云ふ落着いた感情ではない。鼻翼びよくは絶えず震えてゐる。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
明窓浄几めいそうじょうき一炷しゅノ香一へいノ花。筆硯ひっけん紙墨ハかならずそなフ。茗ハ甚シク精ナラザルモマタ以テ神ヲ澄スニ足リ、菓ハ甚シク美ナラザルモマタ以テ茗ヲ下スニ足ルベシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)