一炷いつしゆ)” の例文
少女はこの一炷いつしゆかう清閑せいかんを愛してゐるのであらうか? いや、更に気をつけて見ると、少女の顔に現れてゐるのはさう云ふ落着いた感情ではない。鼻翼びよくは絶えず震えてゐる。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)