“鼻翼”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こばな60.0%
びよく40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうなると、その大いりやま頂上いただきが、全く鼻翼こばなすそかくれてしまって、そこと鼻筋の形とが、異様に引き合い対照を求めて来る。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
私は愛す、……汝は愛す、……彼は愛す、—— amareアマーレ の第一変化を、はちきれるばかりに鼻翼こばなを膨らませ、息も絶え絶えに繰りかえす。
葡萄蔓の束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
少女はこの一炷いつしゆかう清閑せいかんを愛してゐるのであらうか? いや、更に気をつけて見ると、少女の顔に現れてゐるのはさう云ふ落着いた感情ではない。鼻翼びよくは絶えず震えてゐる。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
鼻翼びよくがつり上り気味にふくらむだけのことだったが——手をやたらに横にふって答えた。
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)