“清閑”の読み方と例文
読み方割合
せいかん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると芸術を尊重する仏蘭西フランスに生れた文学者も甚だ清閑せいかんには乏しいわけである。日本に生れた僕などの不平を云ふのは間違ひかも知れない。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
原始的にしてまた未来の風景がこの水にある。船は翠嶂すいしょう山の下、深沈しんちんとした碧潭へきたんに来て、そのさおをとめた。清閑せいかんにしてまた飄々ひょうひょうとしている。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
清閑せいかん消シガタシ。すなわ巾箱きんそうヲ開キ客歳かくさいノ詩ヲ閲シテ煩ヲリ冗ヲ除キテ一百首ヲ得タリ。ひそかニ浪仙ニ擬シ詩ヲ祭リテ労ニ報フ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)