“深沈”の読み方と例文
読み方割合
しんちん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
原始的にしてまた未来の風景がこの水にある。船は翠嶂すいしょう山の下、深沈しんちんとした碧潭へきたんに来て、そのさおをとめた。清閑せいかんにしてまた飄々ひょうひょうとしている。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「もとより、表面は——そういうていにしてあるが、まことは……」右衛門尉は、深沈しんちんけてゆく燭の蔭を、見まわした。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
舟津の家なみや人のゆききや、馬のゆくのも子どもの遊ぶのも、また湖水の深沈しんちんとしずかなありさまやが、ことごとく夢中の光景としか思えない。
河口湖 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)