“深々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふかぶか40.7%
しんしん29.6%
しん/\14.8%
ふか/″\11.1%
ふかふか3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし彼女はそれを聞くと、もう欲にも我慢がしきれなくなった。そして右の手を深々ふかぶかと帯の間にさし込んだまま立ち上がりざま
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
深々しんしんと胸にも雪が降り積むようだ……。そして白々しい虚無がおれをたまらぬ淋しい子にひがませている。急に、父のきみへお会いしたくなったのだ。
跡に殘して出行いでゆきけり是より家内も夫々に休み座敷々々も一同に深々しん/\更渡ふけわたり聞ゆるものはいびきの聲ばかりなり然るに彼町人體の男は家内の寢息ねいき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
次の間に寢入ねいりふうの吉兵衞はくはしく聞取り扨こそ案にたがはざりし山賊の張本ちやうほんなりけりかく深々ふか/″\あなの内に落し身の今更いまさらにげるともにがさんや去乍ら大望のある身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
年紀としのころ二十六七と見えて、身材たけは高からず、色ややあを痩顔やせがほむづかしげに口髭逞くちひげたくましく、髪のひ乱れたるに深々ふかふかと紺ネルトンの二重外套にじゆうまわしえりを立てて、黒の中折帽を脱ぎて手にしつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)