深々しん/\)” の例文
跡に殘して出行いでゆきけり是より家内も夫々に休み座敷々々も一同に深々しん/\更渡ふけわたり聞ゆるものはいびきの聲ばかりなり然るに彼町人體の男は家内の寢息ねいき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
深々しん/\更渡ふけわたり、八ツの鐘がボーンと響く途端に、主人あるじが勝五郎を揺起ゆりおこしました。
高巌かうがん三面を囲んで昼なほ暗らく、深々しん/\として鬼洞に入るの思ひあり、いかなる神人ぞ、この上に盤桓ばんくわんしてこの琵琶のをなすや、こゝに来てこの瀑にうたれて世に立ち帰る人の多きも
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
退き臥床ふしどに入ければ夜は深々しん/\降積ふりつもる雪に四邊あたり䔥然しめやかにていひきの聲のみ聞えるにぞばん建部たてべの兩人は今や/\と窺ふをりお島は藤三郎を抱上いだきあげ小用こよう連行つれゆくてい持成もてなし座敷々々を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
深々しん/\と更けわたりたる眞夜中に
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
せんと云故然らば兩人の間におきたがひに心付あはんと夫婦して二十五兩の金子を中へおきかぜおとにも飛起るやうにして夜もすがらもやらず守り居けるが深々しん/\更行ふけゆくに從ひ文右衞門は過去來すぎこしかた我身の上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)