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深々
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ふかぶか
ふりがな文庫
“
深々
(
ふかぶか
)” の例文
しかし彼女はそれを聞くと、もう欲にも我慢がしきれなくなった。そして右の手を
深々
(
ふかぶか
)
と帯の間にさし込んだまま立ち上がりざま
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
パーシウスは彼とクイックシルヴァとが隠れている
深々
(
ふかぶか
)
と茂った藪まで突き通して見られやしないかと、びくびくものでした。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
おっとりした、
深々
(
ふかぶか
)
と物をむずかしく考えない、口のはっきり利けない様な様子がM子の最も良い性質を表わして居る。
M子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
思はず
深々
(
ふかぶか
)
と
太息
(
といき
)
つきしが、何思ひけん、一聲高く胸を叩いて躍り
上
(
あが
)
り、『嗚呼
過
(
あやま
)
てり/\』。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「
恐
(
おそろ
)
しい人だこと、」といひかけて、再び
面
(
おもて
)
を
背
(
そむ
)
けると、又
深々
(
ふかぶか
)
と
夜具
(
やぐ
)
をかけた。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
チャイコフスキーの音楽は、その性格に
深々
(
ふかぶか
)
と根ざした音楽だからである。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
そして学者らしいとでも云ふのか、黙り込むと、
深々
(
ふかぶか
)
とした瞳が何を見てゐるのかわからない。梨枝子は、この二人の間で、神妙に畏まつてゐた。が、やがて、父が突然、独言のやうに呟いた。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
雁首を口にくわえ、こころもち身体を後に反らせるくらい、胸を大きく張って、
深々
(
ふかぶか
)
と、一服を吸った。くるりと二つの乳房の張った鳩胸と、妊娠七ヶ月の太鼓腹とが、奇妙な瓢箪のようである。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
ピューッと
空
(
から
)
ッ風が吹いて来ると、オーヴァーの
襟
(
えり
)
を
深々
(
ふかぶか
)
と立てた。
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
昼寐
(
ひるね
)
するともなく
椅子
(
いす
)
に
深々
(
ふかぶか
)
と
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
その話は、彼が寝ながら、
深々
(
ふかぶか
)
と繁った木を仰ぎ見て、秋のおとずれが青葉を
悉
(
ことごと
)
く純金のように変えてしまった有様をつくづくと目にとめた結果、頭に浮かんだものだった。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
古藤はそれには答えもせずに、五
分
(
ぶ
)
刈りの
地蔵頭
(
じぞうあたま
)
をうなだれて
深々
(
ふかぶか
)
とため息をした。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
葉子はぜいたくな寝台の上に横になって、羽根
枕
(
まくら
)
に
深々
(
ふかぶか
)
と頭を沈めて、
氷嚢
(
ひょうのう
)
を額にあてがいながら、かんかんと赤土にさしている真夏の日の光を、広々と取った窓を通してながめやった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
古藤は静かに葉子の手を離して、大きな目で
深々
(
ふかぶか
)
と葉子をみつめた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
々
3画
“深”で始まる語句
深
深山
深傷
深淵
深更
深切
深川
深夜
深窓
深沈