“氷嚢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひょうのう82.5%
ひようなう7.5%
こほりぶくろ5.0%
こおりぶくろ5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その上に胃の上の氷嚢ひょうのうでまた驚かされた。自分はそれまで氷嚢は頭か心臓の上でなければせるものでないとばかり信じていたのである。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼の使つた氷嚢ひようなうはカラ/\になつて壁にかゝつてゐる。窓際の小机の上には、数疋すうひきの金魚がガラスのはちにしな/\泳いでゐる。
哀しき父 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
氷嚢こほりぶくろ生憎あいにくかつたので、きよあさとほ金盥かなだらひ手拭てぬぐひけてつてた。きよあたまやしてゐるうち、宗助そうすけ矢張やは精一杯せいいつぱいかたおさえてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御米はいつになく逆上のぼせて、耳まで赤くしていた。頭が熱いかと聞くと苦しそうに熱いと答えた。宗助は大きな声を出して清に氷嚢こおりぶくろへ冷たい水を入れて来いと命じた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)