-
トップ
>
-
ふか/″\
次の間に
寢入し
風の吉兵衞は
委く聞取り扨こそ案に
違はざりし山賊の
張本なりけり
斯深々と
穽の内に落し身の
今更迯とも
迯さんや去乍ら大望のある身を
道と
空との
間に
唯一人我ばかり、
凡そ
正午と
覚しい
極熱の
太陽の
色も
白いほどに
冴え
返つた
光線を、
深々と
頂いた
一重の
檜笠に
凌いで、
恁う
図面を
見た。
彼は、きつぱり、言いきると、妹多津の
深々とした瞳に、精いつぱいあたゝかい視線を送つた。