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深々
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しんしん
ふりがな文庫
“
深々
(
しんしん
)” の例文
深々
(
しんしん
)
と胸にも雪が降り積むようだ……。そして白々しい虚無がおれをたまらぬ淋しい子にひがませている。急に、父の
皇
(
きみ
)
へお会いしたくなったのだ。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜は
深々
(
しんしん
)
と更けて、
麹町
(
こうじまち
)
六番町のウイラード・シムソンの
邸
(
やしき
)
のあたりは、まるで山奥のように静まり返っています。
計略二重戦:少年密偵
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
有珠
(
うす
)
、
登別
(
のぼりべつ
)
、
音威音府
(
おといねっぷ
)
、
名寄
(
なよろ
)
と言った、いずれも
深々
(
しんしん
)
と雪に埋もれて眠ったような町々ばかり、今にもまた降り出しそうに重苦しく垂れ込めた灰色の空の下を
生不動
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「ヴァイオリン・ソナタ第一番イ長調(作品一三)」は幽玄と言ってよいほどの
深々
(
しんしん
)
とした美しさを持ったソナタで、コルトーとティボーの演奏したビクター盤は
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
左には両国橋が長蛇の如く
蜿蜒
(
えんえん
)
としている。右手は平右衛門町と浅草御門までの間の淋しい河岸で、天地は
深々
(
しんしん
)
として、神田川も、大川も、水音さえ眠るの時でありました。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
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深々
(
しんしん
)
と静まり返った夜の中に、細々と絶えては続く、淋しい泣声。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
深々
(
しんしん
)
と、毛の根のしまる寒さと、所々、骨ぶしの痛むのをこらえながら、かれはまた、暗黒の部屋を探りだした。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「…………」静かではあるが、慈円の声は、たとえば
檜
(
ひのき
)
の木蔭を
深々
(
しんしん
)
と行く水のひびきのように、耳に寒かった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
々
3画
“深”で始まる語句
深
深山
深傷
深淵
深更
深切
深川
深夜
深窓
深沈