しゅ)” の例文
おばあさんは、赤ずきんちゃんのもってきてくれたおかしを食べ、ブドウしゅをのみました。それで、またすっかり元気になりました。
彼女かのじょは、小指こゆびりました。そして、あかを、サフランしゅのびんのなからしました。ちょうど、まどそとは、いい月夜つきよでありました。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なる程、お子供衆でございましたら、ごしゅを上がって頂く訳にも参りますまい。では、何か、お菓子でも買って、おあげ下さいませ」
両面競牡丹 (新字新仮名) / 酒井嘉七(著)
少なくとも、一八八〇年から七〇年しゅの味(大尉は、実際その味を本当に味わったことのある人だけがもらすような微笑をもらしながら)
ゼラール中尉 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
かびくさい卵と、鶏冠とさかの焼いたのが一とうのごちそうでした。ぶどうしゅまでがへんな味がしました。それはたまらないまぜものがしてありました。
「やりますとも、おっと沢山たくさん沢山。けれどもいくらこぼれたところでそこら一面いちめんチュウリップしゅの波だもの。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかも、その手にもった茶わんには、まだぶどうしゅのしずくがのこっているので、なかまとおさかもりのさいちゅう、眠ってしまったのだということまで知れました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
丁髷鬘ちょんまげかずら赤陣羽織あかじんばおり裁付袴たっつけばかまおやじどもが拍子木にかねや太鼓でラインしゅとかの広告ひろめ口上こうじょうをまくし立てる。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「殿様は先程中屋敷へお越しになって、後は一同へごしゅ下され、ご家老の溝口様も村松様も大分破目をはずしたらしいから、今夜のご酒宴は、今が盛りの頃だろう」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ちっともならないわ。苦しいぎりで。でもあなたは大変ご愉快ゆかいそうね、少しごしゅを召し上がると」
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
身から出たさびということわざを知らぬか。燻精を変質させて送りかえしたのは、お前がわしに、表のレッテルとはちがう変質インチキしゅを贈ってよこしたからだ。つまり変質に対する変質の応酬おうしゅうである。
それからカステラを好い加減に切って砂糖水とセリーしゅと半分ずつ混ぜたものへ漬けておいてカスターソースの冷したのを掛けますと大層結構なものです。セリー酒がなければ外の酒でも構いません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
かんのそばに、つくえがひとつありました。その上にあかりが四つと、パンのかたまりが四つ、それにブドウしゅが四本のせてありました。
「くるときに、このまちで、サフランしゅんだが、そのさけあじわすれることができなかった。どれ、ひとつゆっくりとさけんでいこう……。」
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「全くそうです。そうら。そら、火です、火です。火がつきました。チュウリップしゅに火がはいったのです。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それからまた、あちらこちらと歩きまわって、四五日たってから、ひょうたんのところへ行ってみますと、どうでしょう、おいしいおいしい、ぶどうしゅができているではありませんか。
しゅばかりは戴くわけにはまいりません。実は、湊川のお石碑せきひへ約束してしまいました。あそこの土担つちかつぎをさせていただく前に。——一生涯のうちには、きっともう一度、お詣りにまいります。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
セリーしゅソース 秋 第百九十一 上等料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
顔をあらう牛乳ぎゅうにゅうと、のむブドウしゅがおいてありましたが、女のほうのむすめのまえには、顔をあらう水と、のむ水がおいてありました。
彼女かのじょは、ここで、その一しょうおくりました。サフランしゅを、このまち工場こうばつくっていました。彼女かのじょは、そのさけつくるてつだいをさせられていたのでした。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なあに心配しんぱいありません。どうせチュウリップしゅの中の景色けしきです。いくらねてもいいじゃありませんか。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ごしゅを」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一つ一つのおさらから、すこしずつやさいのスープとパンをたべ、それから、一つ一つのおさかずきから、一てきずつブドウしゅをのみました。
それは、会社かいしゃで、社長しゃちょうましてもらったようなぶどうしゅに、滋養じようになりそうな、にくのかんづめでありました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかもそればかりか、あかブドウしゅのはいった大きなコップまでがきらきらとひかって、人の心をたのしませてくれるのでした。
「どんなにか、平常へいぜいしつけなかった力仕事ちからしごとをして、つかれたろう。さあ、これを一ぱいみなさい。」といって、社長しゃちょうは、コップに、ぶどうしゅいでくれました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここにおかしがひとつと、ブドウしゅがひとびんあるでしょう。これをね、おばあさんのところへもっていってちょうだい。
とにかく、ヨハネスは王さまにブドウしゅをのませて、元気をつけました。すると、王さまはようやくわれにかえりましたが、なによりもさきに
「おかしとブドウしゅ。きのう、おうちでいたのよ。おばあさんが病気びょうきで、よわっているでしょう。これをあがると、からだに力がつくからよ。」
しかもテーブルの上には、ごちそうや、とびきりじょうとうのブドウしゅが、いまにもテーブルをおしつぶしてしまいそうなくらい、いっぱいのせてありました。
そうすりゃ、あんたにはまい朝牛乳ぎゅうにゅうで顔をあらわせてあげるし、ブドウしゅものませてあげるよ。といっても、うちのむすめには水で顔をあらわせて水をのませておくけどね。
さあ、ちょいといらっしゃい、赤ずきんちゃん、ここにお菓子かしがひとつと、ぶどうしゅがひとびんあります。これを赤ずきんちゃん、おばあさんのところへもっていらっしゃい。
それから、わかい王さまはお妃さまにブドウしゅとパンをすこしずつやりました。
しかも、気ばらしのブドウしゅまでもでてくるんですからね。えんりょはいりませんから、親類しんるいの人やお友だちをみんなよんでください。みなさんに思うぞんぶんごちそうしてあげましょうよ。
のむブドウしゅとがおいてありました。
「えんりょなくいってらっしゃい。あなたがなにかおいしいものでもめしあがるときには、あたしのことも思いだしてくださいな。産婦さんぷさんののむ、あまいあかブドウしゅのようなものなら、あたしもひとしずくぐらい、いただきたいですよ。」