しゅ)” の例文
その好敵手こうてきしゅと思う者がしゅとしてみずから門閥の陋習ろうしゅうを脱したるが故に、下士はあたかも戦わんと欲してたちまち敵の所在をうしなうたる者のごとし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しゅうたおのずとわたくしくちいてたのもそのときでございます。真嶺さねし、相摸さがむ小野おのに、ゆるの、火中ほなかちて、いしきみはも……。
これをもってわが指令書の中にも、しゅとして土国の嫌疑けんぎかもすべき諸事を避け、宗教の事にかかわる条款じょうかんに至りては、ことに過多の寛裕を与えたり。
さきだってのいくさの如く、桃井、京極、山名、一色殿等の上に細川殿までしゅとなって、敵勢の四万、味方は二三千とあっては、如何いかにとも致し方無く、公方、管領の御職位
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「おばば様、御無用ですっ、なまじ、相見て別れるより、私は琴の音を聞いたのみで心が満たされている。おそらくあの人もそうでしょう。琴の返しに、私からも、一しゅ吟じて答えます」
そのしゅにおるものは、の勘定奉行をめて米穀商となった平川半治である。当時かくの如く財利のために士籍をのがれようとする気風があったことは、渋江氏もまた親しくこれを験することを得た。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
はるなつあきはなを、一しゅの中にんでごらんなさい。」
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ミルミドネスのしゅたるもの、あと逐ひ來り迫る時、 595
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
燕王をして、丘将軍の功は我これを知る、と歎美たんびせしむるに至る。故に王の功臣を賞するに及びて、福そのしゅたり、淇国公きこくこうほうぜらる。その将士の鷙悍驁雄しかんごうゆうの者も、またはなはすくなからず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
永禄年中三好家の堺を領せる時は、三十六人衆と称し、能登屋のとや臙脂屋べにやが其しゅであった。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)