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衆
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しゅ
ふりがな文庫
“
衆
(
しゅ
)” の例文
陰惨
忍刻
(
にんこく
)
の趣は、元来、この
婦
(
おんな
)
につきものの影であったを、身ほどのものが気付かなんだ。なあ、
布気田
(
ふげた
)
。よしよし、いや、村の
衆
(
しゅ
)
。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あの爺さんしようがないんですよ。それに
小汚
(
こぎたな
)
くてしようがありませんや。」肴屋の
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
は後で台所口へ来て、そのことを話した。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その時この長蔵さんは、誰を見ても手頃な若い
衆
(
しゅ
)
とさえ鑑定すれば、働く気はないかねと持ち掛ける男だと云う事を
判然
(
はんぜん
)
と
覚
(
さと
)
った。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
乳母 はい、
御機嫌
(
ごきげん
)
よう。……もし/\、あの
人
(
ひと
)
は、ま、
何
(
なん
)
といふ
無作法
(
ぶさはふ
)
な
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
でござるぞ? あくたいもくたいばかり
言
(
い
)
うて。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
翌日になり
漸
(
ようや
)
く
七所借
(
なゝとこがり
)
をして百両
纒
(
まと
)
めて、日の
暮々
(
くれ/″\
)
に大伴蟠龍軒の中の口から案内もなしで通りましたが、前と違い門弟
衆
(
しゅ
)
も
待遇
(
あしらい
)
が違う。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「あの飴屋は芝居茶屋の若い
衆
(
しゅ
)
でね」と、老人は話した。「飴細工が器用に出来るので、芝居の休みのあいだは飴屋になって稼いでいるんです」
半七捕物帳:54 唐人飴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「芝になりたや箱根の芝に、諸国諸大名の敷き芝に、ノンノコセイセイ」「コチャエ、コチャエは今はやる、
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
が、
提灯
(
ちょうちん
)
雪駄
(
せった
)
でうとてゆく」
私の母
(新字新仮名)
/
堺利彦
(著)
と西引佐の
小若
(
こわか
)
い
衆
(
しゅ
)
が目の色を変えてついて来た。此方からも小若い衆が迎いに出た。罷り間違えば血の雨が降る。引率の先生達は随分心配したようだった。
ある温泉の由来
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
これはホントにタマゲタ話じゃ。マッタク
凄
(
すご
)
いよ成る程そうかと。お立会い
衆
(
しゅ
)
が
合点
(
がてん
)
の行くまで。ザット御機嫌伺いまする。又と聞かれぬ地獄のチョンガレ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しの原様の女中
衆
(
しゅ
)
とおめえさまばかりだ。身ぎれいにしているは。だが篠原さんのは洋服だからおかしい。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
左団次の、新富町の家の
稲荷
(
いなり
)
祭りなんていうと、おしょさんは夢中だ。それでもきまりが悪いので、むこうにゆくと子供
衆
(
しゅ
)
たちが大
悦
(
よろこ
)
びで——なんていっている。
旧聞日本橋:19 明治座今昔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
引手茶屋何々
家
(
や
)
の娘だと答えたが、その言葉の中に栄子は芸者を芸者
衆
(
しゅ
)
といい、踊子の自分よりも芸者衆の方が一だん女としての地位が上であるような言方をした。
草紅葉
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
懐奘を初めて
首座
(
しゅそ
)
に
請
(
しょう
)
じた夜、道元は衆に向かって言った、——当寺初めて首座を請じて今日
秉払
(
ひんぽつ
)
を行なわせる。
衆
(
しゅ
)
の少なきを憂うるなかれ。身の初心なるを顧みるなかれ。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
「あの、もしえ、お若い
衆
(
しゅ
)
さん」不意にさむらいが声をかけた。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
牛舎へも水が入りましたと
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
も訴えて来た。
水害雑録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
こき使いながら、よその若い
衆
(
しゅ
)
と酒を飲んで
枡落し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おーい、みんな——
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
、来ておくれ」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
じじいねずみに 若い
衆
(
しゅ
)
ねずみ
魔法の笛
(新字新仮名)
/
ロバート・ブラウニング
(著)
「あの
衆
(
しゅ
)
と一緒だったら、お前だって今頃は乞食でもしていたろうよ。それでも生みの親が恋しいと思うなら、いつだって行くがいい」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
若い
衆
(
しゅ
)
、板の間に手をかけて、分別ありそうに、傾いた。白いのを着た姿は、前門の虎に対して、
荒神様
(
こうじんさま
)
の
御前立
(
おまえだて
)
かと
頼母
(
たのも
)
しく見えたので。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若「あの井桁伊勢屋の客
衆
(
しゅ
)
の事を若旦那に話したら腹を立って、これぎり来ないと云いなますから悲しくってなりまへん」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「女郎屋の若い
衆
(
しゅ
)
らしいが、いくら昼間でもここらへ来て将棋をさしているようじゃあ、
宿
(
しゅく
)
もこの頃は
閑
(
ひま
)
だと見えるね」
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
拙
(
せつ
)
が一
返
(
ぺん
)
古榎
(
ふるえのき
)
になった事がありやす、ところへ源兵衛村の
作蔵
(
さくぞう
)
と云う若い
衆
(
しゅ
)
が首を
縊
(
くく
)
りに来やした……」
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
警視庁にては新聞図書検閲の役人
衆
(
しゅ
)
どうかすると葉書にておのれを呼出し小使に茶を持運ばせて
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
皆の
衆
(
しゅ
)
、聞いて下さい。私達はもう立派に諦めを付けました。二人の者は水の底で、鏡を見付けて、綱を結び付けて帰って来る途中で、何か悪い
魚
(
うお
)
の餌食になったに違いない。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
女「若い
衆
(
しゅ
)
さんここでいいよ」とおりて。この車夫にチョットあいさつをし。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
と云いながら其処にありましたヌタの皿を
把
(
と
)
って
投
(
ほう
)
りましたから、皿小鉢は粉々になりましたが、他に若い
衆
(
しゅ
)
が居ないから中へ這入る人もない。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「アニ、はい、で、ござりますけんど、お客様で、ござんしねえで、あれさ、もの、呉服町の手代
衆
(
しゅ
)
でござりますだ。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
白山
(
はくさん
)
から来たと云って、
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
が手紙を持って、迎いに来ましたよ。
私
(
あっし
)
が取次いだんだから、間違いはありません」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
甚兵衛君の隣りには
初
(
はつ
)
さんという二十四五の若い
衆
(
しゅ
)
が坐っているが、この初さんがまた
雲照律師
(
うんしょうりっし
)
に
帰依
(
きえ
)
して三七二十一日の間
蕎麦湯
(
そばゆ
)
だけで通したと云うような青い顔をしている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
湯帰りに師匠のところへ行って、一番
唸
(
うな
)
ろうという若い
衆
(
しゅ
)
も、今では五十銭均一か何かで新宿へ繰込む。かくの如くにして、
江戸子
(
えどっこ
)
は次第に亡びてゆく。
浪花節
(
なにわぶし
)
の寄席が繁昌する。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あくる朝……つまりその二十六日の朝になって、番頭と若い
衆
(
しゅ
)
が、その日の
中
(
うち
)
に深川の製材所から
河岸
(
かし
)
に着く筈になっている
樅
(
もみ
)
板の置場を見に行くと、直ぐに屍体を発見して大騒ぎになった。
近眼芸妓と迷宮事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
友「これはほんの心ばかりだが、どうぞ親方とお内儀に上げて下さい、これは女中
衆
(
しゅ
)
八人へ、これは男
衆
(
しゅ
)
へ、たしか出前持とも六人でしたねえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何の真似やら、おなじような、あたまから羽織を
引
(
ひっ
)
かぶった若い
衆
(
しゅ
)
が、溝を伝うて、二人、三人、
胡乱々々
(
うろうろ
)
する。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
留守を頼んで行った
大家
(
おおや
)
の若い
衆
(
しゅ
)
と、そこの子供とが、広い家のなかを、我もの顔にごろごろしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
男は問屋の若い
衆
(
しゅ
)
であるらしく、大きい鯛を
青籠
(
あおかご
)
に入れて、あたまの上に載せていた。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お立ち会い
衆
(
しゅ
)
の大勢さまよ。これが私の洋行
土産
(
みやげ
)
じゃ。現代文化の
影身
(
かげみ
)
に付添う。この世からなる地獄の話じゃ。鳥が
囀
(
さえず
)
り木の葉が茂り。花に
紅葉
(
もみじ
)
に極楽浄土の。中にさまよう精神病者じゃ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ぶらぶら土手の上をあるきながら、約三丁も来たと思ったら、向うに
人影
(
ひとかげ
)
が見え出した。月に
透
(
す
)
かしてみると影は二つある。
温泉
(
ゆ
)
へ来て村へ帰る若い
衆
(
しゅ
)
かも知れない。それにしては
唄
(
うた
)
もうたわない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
治「へゝ、なに仕合せでもありますまい、何うもヘヽ誠に不粋な人間で何も心得ませんからなア……貴方さまもお一方で、お子供
衆
(
しゅ
)
はございませんか」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
⦅
厭
(
いや
)
な音ねえ、⦆ッて
現
(
うつつ
)
にそうおいいなさいますと、何と思ったのか、若い
衆
(
しゅ
)
が、大きな氷の塊を取って、いきなり、自分の天窓へ
打
(
ぶ
)
ッつけたんですって。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なんだか世間がそうぞうしいから、いっそ今年はお見あわせにしようかと云っていたんですけれど、やっぱり若い
衆
(
しゅ
)
たちが納まらないので、いつもの通り押し出すことになったんです。
半七捕物帳:40 異人の首
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
若い
衆
(
しゅ
)
に声かけながら降りた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「若い
衆
(
しゅ
)
さん」
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
直
(
すぐ
)
に村の若い
衆
(
しゅ
)
も
大勢
(
おおぜい
)
参りましたけれども、其の甲斐もなくもう間に合いませんで、誠に情ないことでございます
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私でも、それでなきゃ誰か若い
衆
(
しゅ
)
でも着けてあげてね、そして伯母さんにお
詫
(
わび
)
をしたら
可
(
い
)
いでしょう。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
客「若い
衆
(
しゅ
)
さん、ちょいと若い衆さん、其処をお通りかえ、若い衆さん、ちょっと御尊顔を拝したいね、あなた」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
確か三人づれで、若い
衆
(
しゅ
)
が見えました。やっぱり酒を御持参で。大分お支度があったと見えて、するめの足を
噛
(
かじ
)
りながら、
冷酒
(
ひやざけ
)
を茶碗で
煽
(
あお
)
るようなんじゃありません。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
重「はい有難う存じます、どうぞ旦那さまへ宜しく仰しゃって下さいまし、お嬢さま御機嫌宜しゅう、若い
衆
(
しゅ
)
さん気を附けて下さい、小僧さん御苦労さま」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「若い
衆
(
しゅ
)
の
愚痴
(
ぐち
)
より年よりの愚痴じゃ、聞く人も
煩
(
うる
)
さかろ、
措
(
お
)
かっしゃれ、ほほほ。のう、お婆さん。主はさてどこへ何を志して出てござった、山かいの、川かいの。」
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
下の方が何か
瘡毒
(
そうどく
)
の
願
(
ねがい
)
が利くとか申して女郎
衆
(
しゅ
)
や何かゞ宜くお詣りにまいって、泥で
拵
(
こしら
)
えたる団子を上げます。
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“衆(
僧
)”の解説
僧(そう、sa: संघ Saṃgha)は、サンガを音写した「僧伽」の略で仏教の戒律を守る男性の出家修行者である「比丘(びく)」と女性の出家修行者である「比丘尼(びくに)」の集団のこと。仏教の三宝の一つ。在家信者を含めた教団を僧(サンガ)とは呼ばず、出家者が四人以上集まったとき僧となる。男性の出家修行者の集団を比丘僧といい、女性の場合は比丘尼僧という。衆あるいは和合衆と訳される。
(出典:Wikipedia)
衆
常用漢字
小6
部首:⾎
12画
“衆”を含む語句
若衆
衆人
衆生
群衆
女衆
男衆
旦那衆
女子衆
連衆
民衆
公衆
女郎衆
大衆
聴衆
子供衆
公家衆
此方衆
女中衆
媽々衆
素人衆
...