しゅ)” の例文
その後いよいよ戦争で勝ち得べきところの秘法をしゅするという順序だと言いますから、一体どういう訳でシナに戦争が起って居るのかという事を
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
あはれ、殊勝な法師や、捨身しゃしん水行すいぎょうしゅすると思へば、あし折伏おれふ枯草かれくさの中にかご一個ひとつ差置さしおいた。が、こいにがしたびくでもなく、草をしろでもない。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今生の業縁ごうえんとなってむくわれぬというためしはございませぬ……十善の戒行かいぎょうしゅした報いが、今生において天子の位に登ると平家物語から教えられました
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
唐から宋へかけて処処方方に詩歌だの事跡だのを遺して居り、宋の人の間には其信仰が普遍で、既に蘇東坡そとうばの文にさえ用いられているし、今でも法をしゅして喚べば出て来ると思われている。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
業をしゅし卒へたまへる、760
の年、霜月しもつき十日は、かねて深く思召おぼしめし立つ事があつて、大納言卿、わたくしならぬ祈願のため、御館の密室にこもつて、護摩ごまの法をしゅせられた、其の結願けちがんの日であつた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
貪心たんしんたちまち生じて善法をしゅするを妨ぐる——仏は仏慧菩薩ぶってぼさつのために四食しじきの時を説いて、朝の天食、午時の法食とし、そうして畜生のための午後食、鬼類のための夜食——とこうなっている。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
寂照が願文がんもんを作って、母の為めに法華ほっけ八講はっこうを山崎の宝寺にしゅし、愈々本朝を辞せんとした時は、法輪さかんに転じて、情界おおいに風立ち、随喜結縁けちえんする群衆ぐんじゅ数を知らず、車馬填咽てんえつして四面を成し
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かまかけたる湯の煙むらむらとたなびく前に、尼君一にん薄茶の手前したまいぬ。謡の道しゅするには、かかることもするものなり。覚えあれば、跫音あしおと立ててこのしずかさ損なわじと、忍びて退きぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しゅしてお上げ申しましょう、うしの日の夜、これへお越し下さるように……
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
伝え聞く、摩耶山忉利天王寺とうりてんのうじ夫人堂の御像おんすがたは、そのいにしえりょうの武帝、女人の産に悩む者あるをあわれみ、仏母ぶつも摩耶夫人まやぶにんの影像を造りて大功徳をしゅしけるを、空海上人入唐の時、我が朝にかしずき帰りしものとよ。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
九字くじを切るだのと申しまして、不思議なことをするのでありますが、もっともこの宗門の出家方は、始めから寒垢離かんごり、断食など種々さまざまな方法で法をしゅするのでございまして、向うに目指す品物を置いて
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これけだし深川綾子の建案にて、麹町の姫様ひいさま檀那だんなとなり、あまたの貴婦人これをたすけ、大法会をしゅして縊死いしの老婆を追善し、併せて鮫ヶ橋の貧民の男女を論ぜず、老少を問わず、天窓数あたまかず一人に白米一斗
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
渠は依然として黙をしゅせり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)