“御像”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みぞう30.4%
おすがた21.7%
みすがた17.4%
おぞう4.3%
おんすがた4.3%
おんぞう4.3%
みかた4.3%
みかたち4.3%
みざう4.3%
ミザウ4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紫宸ししん清涼せいりょう弘徽殿こきでんなどになぞらえられていた所の一切の御物ぎょぶつ——また昼の御座ぎょざの“日のふだ”、おん仏間の五大尊の御像みぞう
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(明神様の御像おすがたを、和尚さんが抱いて出たのでございます。お慰みに、と云って、私は出はいたしません。明神様も、御迷惑だったでしょう。)
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしの心のいと黒い片隅に、俗世の願ひ、また嘲けりのの及ばぬあたり、おんみのおごそかな御像みすがたの立たせまするやう、紺と金との七宝の聖盒をしつらへたい心願にござります。
その網に一寸八分黄金無垢むくの観世音の御像おぞうが掛かって上がって来た。
伝え聞く、摩耶山忉利天王寺とうりてんのうじ夫人堂の御像おんすがたは、そのいにしえりょうの武帝、女人の産に悩む者あるをあわれみ、仏母ぶつも摩耶夫人まやぶにんの影像を造りて大功徳をしゅしけるを、空海上人入唐の時、我が朝にかしずき帰りしものとよ。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから、私は、右の観音を安置して、静かにその前に正坐すわりました。そして礼拝しました。多年眼にみて忘れなかったその御像おんぞうは昔ながらに結構でありました。
人麻呂の御像みかたのまへに机すゑともしびかかげ御酒みきそなへおく
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
かかるうちにも心にちとゆるみあれば、煌々こうこう耀かがやわたれる御燈みあかしかげにはかくらみ行きて、天尊てんそん御像みかたちおぼろ消失きえうせなんと吾目わがめに見ゆるは、納受のうじゆの恵にれ、擁護おうごの綱も切れ果つるやと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
最も高き石壁の頂に、幼き耶蘇やそを抱ける聖母マドンナ御像みざうありて、この荒涼なる天地を眺め居給ふ。水の淺きところは、別に一種の鴨緑あふりよく色をなして、一面深き淵に接し、一面は黒き泥土の島に接す。
人麿の御像ミザウのまへに 机すゑ、トモシビかゝげ 御酒ミキそなへおく﹆
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)