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渡久山水鳴
渡久山水鳴
1884 〜 1911
舟夫(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
名護がよひ薪積む舟 午後六時入江に来る 舟の中みだらなる歌 三味線のざれ弾き聞ゆ おもしろき舟夫のなりはひ …
囚人(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
囚人来る赤き衣の 囚人来る暴風雨中を 荷へるをふとみむくれば、 己を責む戒具と戒具と。 人皆は恋の囚人、 …
蠅(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
真黒なす蠅の一とむれ あざれたる肉あさり 夜昼のけちめもわかず 己が身しかてをもとめぬ、 はづかなる命つがんと。 …
馬車(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
炭俵載せたる馬車は やや高き坂にかかりぬ、 そを馭する人は肝やみ くるしげにむちをば振ふ。 馬よりも人ぞ労れぬ …
はめつ(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
銅色の工夫等は 「くわつと」輝く夏の日を 背中にうけつ十数人 えいや声してほそ長な 轆轤にかけし石砕器 高くおとせば、水煙—— 四方に雨ふり——魚死せり。 見よまたかなた住吉の 岩 …
人妻(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
午後三時日は傾きぬ 松山の女子部のほとり 三年ぶり恋人訪ひぬ、 「何ぜ君は訪ひ給はざる」 かくうらむ彼女は「人妻」 …
室内(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
垣間見ぬ君が室内 明日来むと云いし其の日に 待てど君姿は見ゑず 我心苛苛しさに 垣間見ぬ君が室内 …
都の話(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
浪笛兄のふるさとを読み同じ趣向を例の小曲にて試みたるが「都の話」一篇 母は問ふ都の話 馬車、電車、宮城門の 楠公の御像の雄姿 又問ひぬ、上野パノラマ、 動物園浅草菩薩。 …