おさなき灯台守おさなきとうだいもり
この物語はさほど遠い昔のことでは無い。 北の海に添うたある岬に燈台があった。北海の常として秋口から春先へかけて、海は怒ったように暴狂い、波の静かな日は一日も無かった。とりわけこの岬のあたりは、暗礁の多いのと、潮流の急なのとで、海は湧立ちかえ …