住処すみか)” の例文
旧字:住處
ビレラフォンが聞いて来たことが本当なら、おそろしいカイミアラが住処すみかとしているのは、それらのすごいような谷の一つでした。
……昨夜ゆうべのおでんはうまかったナ……と思ったら、もういけません。……しみ/″\、かなしくなったわ、あたし、心の住処すみかのないことが……
三の酉 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
崖下がけしたにある一構えの第宅やしきは郷士の住処すみかと見え、よほど古びてはいるが、骨太く粧飾かざり少く、夕顔の干物ひもの衣物きものとした小柴垣こしばがきがその周囲まわりを取り巻いている。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
楊弓での眼を射させたのも、二人の談合ずくであろう——たってそうでないと言うなら、浅五郎の住処すみかを言えッ
信ぜよ。我が父の家には住処すみか多し。然らずば我かねて汝らに告げしならん。我汝らのために処を備えに行く。もし行きて汝らの為めに処を備えば、また来りて汝らを
キリスト教入門 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
昔はアジアの南海諸処に鑑真のいわゆる蛇海すなわち海蛇夥しく群れ居る所があったらしい、『アラビヤ夜譚』のブルキア漂流記に海島竜女王住処すみかを蛇多く守るといい
一年ひとゝせ四月のなかば雪のきえたるころ清水村の農夫のうふら二十人あまりあつまり、くまからんとて此山にのぼり、かの破隙われめうろをなしたる所かならず熊の住処すみかならんと、れい番椒烟草たうがらしたばこくきたきゞまぜ
一体ラサというのは神の国という意味で、いわゆる仏、菩薩すなわち外護げごの神様の住処すみかで非常に清浄な土地であるというところから神の国という意味の名をつけられたのである。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
わたしたち女の子は二階に住処すみかをあてがわれ、すぐその下は天井の高い大きな部屋で、わたしたちの歌や踊りの稽古場になっていたのですが、そこの物音は上の部屋へ筒抜けに聞えるのでした。
彼らは未墾の野の中に、小鳥だけが知っている泉のへり住処すみかとしている。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
世にからく汐路ただよふ水母くらげにもわれよく似たり住処すみかなければ
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
ながめかる海人の住処すみかと見るからにまづしほたるる松が浦島
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ふつくりとして色とにほひの住処すみか
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
そして、それはいただきがペガッサスの住処すみかになっているヘリコン山だということが分りました。ペガッサスは、許しを乞うような風に、静かに乗り手の顔を見てから、いよいよその方へ飛んで行きました。
九重をかすみへだつる住処すみかにも春と告げくる鶯の声
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)