“猿猴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えんこう61.9%
ましら14.3%
ゑんこう14.3%
えてこう4.8%
さる4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
第一種職業婦人式第二種職業婦人は、かように到る処に居るには居るが、慣れない者には猿猴えんこうが月で手に取る方法がわからない。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
一歩は高く一歩は低く、猿猴ましらのように肩で調子を取って歩む身体に、燕尾服えんびふくを着けてびっこを曳き曳き舞踏場の嵌木細工モザイクを踏む、社交界の笑われ者……ぶざまな道化の不具者!
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
争ふ事を好むは猿猴ゑんこうよりも多く、満足する事あたはざるは空の鳥に学ばざる可からざるが如し、是非曲直を論ずれども、我利の為に立論するの外を知らず、正邪真偽を説けども
最後の勝利者は誰ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「あいつにゃおいらも喫驚びっくりした。こう全然まるで猿猴えてこうだったからな」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さて木から落ちた猿猴さるの身というものは意久地の無い者で、腕は真陰流に固ッていても鋤鍬すきくわは使えず、口は左様さようしからばと重く成ッていて見れば急にはヘイのも出されず
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)