“隻脚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたあし45.5%
せっきゃく36.4%
せききゃく9.1%
せききやく9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
既に隻脚かたあしを墓に入れしひとりの者程なくかの僧院のために歎き、權をその上にふるひしことを悲しまむ 一二一—一二三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
隻脚せっきゃく——だがその不自由さも今はK氏の詩情や憂愁を自らいたわる生活形態と一致させたやや自己満足の諦念ていねんにまで落ちつけたかに見うけられる。
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それを呼び止めて三輪車上の紳士が何か聞いている。隻脚せききゃくの青年は何か一言きわめてそっけない返事をしたまま、松葉杖のテンポを急がせて行き過ぎてしまった。
藤棚の陰から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
五月某日予等は明子が家の芝生なる藤棚のもと嬉戯きぎせしが、明子は予に対して、隻脚せききやくにて善く久しく立つを得るやと問ひぬ。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)