“萌芽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうが89.8%
はうが4.1%
きざし2.0%
めざし2.0%
めばえ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この年齢に達したイエスに、神をわが父と呼び、神の宮をわが父の家と呼ぶ一種特別なる宗教的自覚の萌芽ほうがが現われたものとみえる。
キリスト教入門 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
平八郎は其儘そのまゝ端坐たんざしてゐる。そして熱した心の内を、此陰謀がいかに萌芽はうがし、いかに生長し、いかなる曲折をて今に至つたと云ふことが夢のやうに往来する。平八郎はかう思ひ続けた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
お美しいこと、父帝が溺愛できあいしておいでになることなどを始終聞かされていたのがこの恋の萌芽きざしになったのである。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
僕の精神状態がいつの間にか変化してきたは、隠すことの出来ない事実である。この日初めて民子を女として思ったのが、僕に邪念の萌芽めざしありし何よりの証拠じゃ。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
成程お勢はまだ若い、血気もいまだ定らない、志操もあるいは根強く有るまい。が、栴檀せんだん二葉ふたばからこうばしく、じゃは一寸にして人を呑む気が有る。文三の眼より見る時はお勢は所謂女豪じょごう萌芽めばえだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)