“めざし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
目刺55.0%
眼色10.0%
10.0%
眼光5.0%
目刺魚5.0%
目色5.0%
眼刺5.0%
萌芽5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主人をお見送りしてから、目刺めざしを焼いて簡単な昼食をすませて、それから園子をおんぶして駅へ買い物に出かけた。途中、亀井さんのお宅に立ち寄る。
十二月八日 (新字新仮名) / 太宰治(著)
あをにごれるほほの肉よ、さらばへる横顔の輪廓りんかくよ、曇の懸れるまゆの下に物思はしき眼色めざしの凝りて動かざりしが、やがてくづるるやうに頬杖ほほづゑを倒して、枕嚢くくりまくらに重きかしらを落すとともに寝返りつつ掻巻かいまき引寄せて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
手鍋てなべぐる意氣いきげきして、所帶しよたい稽古けいこ白魚しらうをめざしつくなりしかすがいぢらしとて、ぬきとむるはなるをよ。いといろも、こぼれかゝる袖口そでくちも、篝火かゞりびたるかな。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのくせにすわぜいはなかなかあッて、そして(少女おとめ手弱たよわに似ず)腕首が大層太く、その上に人を見る眼光めざしが……眼は脹目縁はれまぶちを持ッていながら……、難を言えば、凄い……でもない……やさしくない。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
手首の太いのや眼光めざしのするどいのは全くそのためだろう。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
目刺魚めざしみたいに振廻しているのもある。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はこれと争ひてなほも抑へぬ。面色はやうやく変じて灰の如し。婆はおそれたる目色めざしを客の方へ忍ばせて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この世界なみに、たいてい眼刺めざし煮〆にしめ。顎十郎は、うむとも言わずにめしを喰い出す。飯を喰いおわると、お先煙草さきたばこを一服二服。窓から空を見上げながら
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
僕の精神状態がいつの間にか変化してきたは、隠すことの出来ない事実である。この日初めて民子を女として思ったのが、僕に邪念の萌芽めざしありし何よりの証拠じゃ。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)