“魥(めざし)” の例文
それ切り其のことを忘れてゐたが、今日はまた早くから、麗はしい朝日に照らされて、其の黄色い薄板が、魥(めざし)のやうに乾してある。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
手鍋(てなべ)提(さ)ぐる意氣(いき)に激(げき)して、所帶(しよたい)の稽古(けいこ)に白魚(しらうを)の魥(めざし)造(つく)る也(なり)。然(しか)も目(め)を刺(さ)すがいぢらしとて、ぬきとむるは尾(を)なるを見(み)よ。絲(いと)の色(いろ)も、こぼれかゝる袖口(そでくち)も、繪(ゑ)の篝火(かゞりび)に似(に)たるかな。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
船場の宿の座敷から眺めてゐると、梧桐(あをぎり)の梢の青々としてゐる庭越しに、隣りの家の物干臺が見えて、幅一寸に長さ五寸ほどの薄い板が、魥(めざし)のやうに細繩で繋いで、ドツサリ乾してあつた。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)