“梧桐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あおぎり41.7%
ごとう23.3%
あをぎり18.3%
きり8.3%
ごどう8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
末造の据わっている所からは、二三本寄せて植えた梧桐あおぎりの、油雑巾で拭いたような幹が見えている。それから春日燈籠かすがどうろうが一つ見える。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
そのうちに曇った空から淋しい雨が落ち出したと思うと、それが見る見る音を立てて、空坊主からぼうずになった梧桐ごとうをしたたからし始めた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日の光を一ぱいに浴びた庭先には、葉の裂けた芭蕉ばせうや、坊主になりかかつた梧桐あをぎりが、まきや竹の緑と一しよになつて、暖かく何坪かの秋を領してゐる。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
八つ手や梧桐きりの広い葉の面が、濡れたように光った。反対の側の樹陰、枝の奥は異様に暗く、庭がいつになく迫る力を持って見えた。
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
さらぬだに燃ゆるばかりなる満開の石榴ざくろに四時過の西日のおびただしく輝けるを、彼はわづらはしと目を移して更に梧桐ごどうすずしき広葉を眺めたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)