“あおぎり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
梧桐48.1%
青桐32.7%
碧桐5.8%
碧梧5.8%
青梧3.8%
碧梧桐1.9%
蒼桐1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
梧桐あおぎりの葉などは、いつもならば、黒くしなびてカラ/\と一風に散つて了ふのであるが、今年はそれすら美しく黄ばんだ色を見せてゐる。
初冬の記事 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
何となく白ッぽい林檎りんごの葉や、紅味を含んだ桜や、淡々しい青桐あおぎりなどが、校舎の白壁に映り合って、楽しい陰日向かげひなたを作っている。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
妻や女中に注意をあたえながら、ありあわせた下駄を突っかけて、沓脱くつぬぎから硝子戸の外へ飛び出すと、碧桐あおぎりの枯葉がばさばさと落ちて来た。門の外へ出ると、妻もつづいて出て来た。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お庭も隣りの植木屋さんのにつづいて、さざん花や碧梧あおぎりはぎなど、ちょっと風情ふぜいがありますのよ。あすこでしたら、きっと落ち着いてお書きになれますわ。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
旅館の庭には桜のほかに青梧あおぎりえんじゅとを多くえてある。痩せた梧の青い葉はまだ大きい手を拡げないが、古い槐の新しい葉は枝もたわわに伸びて、軽い風にも驚いたようにふるえている。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
十月もなかばを過ると、落葉の早い碧梧桐あおぎり、朴、桜などはほとんどちり尽し、ほかの樹木も枝がうすくなって、透いて見える秋の空がくっきりと高かった。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
低地を距てた洋館には、その時刻、並んだ蒼桐あおぎりの幽霊のような影が写っていた。
冬の日 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)