碧桐あおぎり)” の例文
碧桐あおぎりの蔭にほこりかぶった瓦斯の見えるある下宿屋の前へ来かかったとき、母親と車夫との話し声を聞きつけて、薄暗い窓のすだれのうちから、「鴨川かもがわの姉さまかね。」と言って
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
妻や女中に注意をあたえながら、ありあわせた下駄を突っかけて、沓脱くつぬぎから硝子戸の外へ飛び出すと、碧桐あおぎりの枯葉がばさばさと落ちて来た。門の外へ出ると、妻もつづいて出て来た。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
妻や女中に注意をあたえながら、ありあわせた下駄を突っかけて、くつぬぎから硝子戸の外へ飛び出すと、碧桐あおぎりの枯葉がぱさぱさと落ちて来た。門の外へ出ると、妻もつづいて出て来た。
火に追われて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
窓際に差し出ている碧桐あおぎりの葉が黄色くむしばんで、庭続きのがけの方の木立ちにかなかないていた。そこらが古くさく汚く見えた。お庄は自分の古巣へ落ち着いたような心持で、低い窓に腰かけていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)