“青桐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あおぎり85.0%
あをぎり15.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのライラックの木の西に、まだ芽を出さない栴檀せんだん青桐あおぎりがあり、栴檀の南に、仏蘭西語で「セレンガ」と云う灌木かんぼくの一種があった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
何となく白ッぽい林檎りんごの葉や、紅味を含んだ桜や、淡々しい青桐あおぎりなどが、校舎の白壁に映り合って、楽しい陰日向かげひなたを作っている。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
出窓の前の青桐あをぎりとほして屋根庇やねひさしの陰に、下座敷のひつそりした障子しやうじの腰だけが見えた。其処そこからは時々若夫人の声が響いて、すぐに消えるのだつた。
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
平次は庭から縁側へ廻つて、青桐あをぎりの葉影の落ちるあたりへ腰を下ろすと、お勢はいそ/\と立つて澁茶を一杯、それに豆落雁まめらくがんを少しばかり添へて出しました。