八つ手や梧桐の広い葉の面が、濡れたように光った。反対の側の樹陰、枝の奥は異様に暗く、庭がいつになく迫る力を持って見えた。
彼女は廊下の窓際に斜に置かれて、小雨のふる中に垂れ下った梧桐の葉の淋しさを眺めて居た。側には三十位の女が輸送車の上にあを向けにねて、自分の手の色をぢっと見てゐた。
“梧桐(アオギリ)”の解説
アオギリ(青桐・梧桐、学名: Firmiana simplex)は、アオイ科最新の植物分類体系であるAPG体系ではアオイ科(Malvaceae)に分類されるが、古いクロンキスト体系・新エングラー体系ではアオギリ科(Sterculiaceae)に分類されていた。アオギリ属の落葉高木。別名ではケナシアオギリともよばれる。和名の由来は、キリ科のキリ(桐)が「白桐」とよぶのに対して、幹肌が青緑色で大きな葉がつく様子がキリに似ることから名付けられている。中国名の梧桐(ごとう)も日本ではよく知られている。公園樹、街路樹に利用される。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)