“遠近”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おちこち50.0%
をちこち35.2%
えんきん6.5%
あちこち4.6%
ゑんきん3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遠近(おちこち)では鶏(とり)が勇ましく啼いた。市郎は衾(よぎ)を蹴って跳ね起きた。家内の者共は作夜の激しい疲労に打たれて、一人もまだ起きていない。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
名ある山々をも眼の前脚の下に見るほどの山に在りて、夏の日の夕など、風少しある時、谿に望みて遠近(をちこち)の雲の往来(ゆきき)を観る、いと興あり。
雲のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
最初(さいしょ)彼女(かのじょ)に起(おこ)った現象(げんしょう)は主(しゅ)として霊視(れいし)で、それは殆(ほと)んど申分(もうしぶん)なきまでに的確(てきかく)明瞭(めいりょう)、よく顕幽(けんゆう)を突破(とっぱ)し、又(また)遠近(えんきん)を突破(とっぱ)しました。
鶏の鳴きかわす声が遠近(あちこち)の霧の中に聞える。坂を越して野辺山が原まで出てまいりますと、霧の群は行先(ゆくて)に集って、足元も仄暗(ほのぐら)い。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
こゝに信州(しんしう)の六文錢(ろくもんせん)は世々(よゝ)英勇(えいゆう)の家(いへ)なること人(ひと)の能(よ)く識(し)る處(ところ)なり。はじめ武田家(たけだけ)に旗下(きか)として武名(ぶめい)遠近(ゑんきん)に轟(とゞろ)きしが、勝頼(かつより)滅亡(めつばう)の後(のち)年(とし)を經(へ)て徳川氏(とくがはし)に歸順(きじゆん)しつ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)