“おちこち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
遠近73.0%
遠方此方23.0%
彼方此方1.4%
越智東風1.4%
遠方近方1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雲の峰は崩れて遠山のふもともや薄く、見ゆる限りの野も山も海も夕陽のあかねみて、遠近おちこちの森のこずえに並ぶ夥多あまた寺院のいらかまばゆく輝きぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
張飛はいつか張任を見失い、味方の小勢と共に遠方此方おちこち馳けあるいていたが、そのうちに四山旗と化し、四谷鼓を鳴らし
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして夜に入ると、不気味さはいや増して、地獄の火みたいな赤い光が、五月の闇の彼方此方おちこちつづり出された。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あああがりましたか、あの越智東風おちこちと云う男は至って正直な男ですが少し変っているところがあるので、あるいは御迷惑かと思いましたが、是非紹介してくれというものですから……」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さっきから築土ついじの外にたたずんで、遠方近方おちこちを見ていた侍女こしもとは、河原から帰って来た元康のすがたを見ると
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)