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をちこち
語句 | 割合 |
遠近 | 95.0% |
彼此 | 2.5% |
東西 | 2.5% |
赤地、
蜀紅なんど
錦襴の
直垂の
上へ、
草摺曳いて、さつく/\と
鎧ふが
如く
繰擴がつて、
人の
俤立昇る、
遠近の
夕煙は、
紫籠めて
裾濃に
靡く。
伊勢の
八相可といふ
郷に、
拝志氏の人、世をはやく
嗣に
譲り、
九忌むこともなく
頭おろして、名を
夢然とあらため、
従来身に病さへなくて、
彼此の旅寝を老のたのしみとする。
急にも飢ゑて
食ほしげなるに、
彼此に
六六𩛰り得ずして狂ひゆくほどに、
忽ち文四が釣を垂るるにあふ。其の
餌はなはだ
香し。心又
六七河
伯の
戒を守りて思ふ。我は
仏の御弟子なり。
二七心々の世の中となりしほどに、老いたるは山に
逃竄れ、
二八弱きは
軍民にもよほされ、けふは此所を焼きはらふ、
明は敵のよせ来るぞと、女わらべ
等は
東西に逃げまどひて泣きかなしむ。